SACD: Weather Report「Night Passage」
SACD: Weather Report「Night Passage」
vocalion CDSML 8541 1980年、2018年(?)リマスター
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/
2019年1月にヤフオク!で購入、2780円
懐かしさ | ★★★★ |
楽曲 | ★★★★ |
演奏 | ★★★★★ |
録音 | ★★★ |
購入満足度 | ★★★★★ |
私にとっての3大バンドは、Yellow Magic Orchestra(YMO)、Deep Purple、Weather Reportで、中でもウェザー・リポートは、Kansas留学から帰国する時にレコード屋でアナログレコードを買いあさったくらいなのだが、今は自宅にレコードプレーヤーがない。CDは、Original Album Classicsというボックスで10枚分はそろえたし、そこに入っていない「Live In Tokyo」「8:30」もある。SACDでリリースされているものは「Tale Spinnin'」「Black Market」「Heavy Weather」があることは知っていて、Black Marketはプレミア価格になっていて手が出ないでいるが、他2枚は買った。という状況でナイト・パッセージのSACDがリリースされていることを知り、それは買わねばなるまい、と新品を購入したのがこのディスクである。
Original Album ClassicsのNight Passageはこれ。
ジャケットは、SACDの方は、左上に「vocalion」のロゴが入り、右下にSACDロゴが加えられている。上の画像と見比べていただければと思う。
音は、Original Album ClassicsのCDも、決して悪くないが、SACDと聞き比べると、CDは高域が強調されて、ピーター・アースキンの金物(シンバル)のシャリシャリが耳に痛い。SACDは高域が抑え目で、中域がよく聞こえる。1曲目でパカポンパカポンと鳴っているのはRobert Thomas Jr.のハンドドラムスなのだろうか。「あれ、こんな音あったっけ?」と思ったりした。
トラック4とトラック5「Rockin' In Rhythm」は、Original Album ClassicsのCDでは音が切れているのだが、SACDではつないである。レコードではB面の1がRockin' In Rhythmだったので、つながっていなかった。これは、どういう意図でやったのか知らないが、でも、うまくつながっている。ライブではつながっていたのかもしれない。
そう、驚くことに、このNight Passageは、ライブ盤である。拍手をカットしているので(聴衆に合図を送って拍手を遅らせていたのかもしれない)、そう聞こえない時もあり、今回、ライブであることを認識してびっくりした。
Weather Reportのアルバムの中で一番好きなのは、レコードを初めて買った「8:30」で、これは過半がライブである。レコードの時は2枚組でたっぷりしており、大ヒット曲のBlack MarketとBirdlandが入っており、ウェインのソロ曲があったり、In A Silent Wayをデュオでやっていたりして、やはりこのアルバムが不動の一位なのだが、その次のアルバムであるNight Passageも実はライブ盤であった。演奏のすさまじさという点では、8:30よりこちらが上かもしれないと思わせるものがある。
この時期のザビヌルの使用機材は、ローズ、CP、Prophet-5、ARP 2600、Oberheim 8ボイスが主なところであったろうと思う。1980年7月のライブが主だから、KORG Tridentは、まだ間に合ってないのではなかろうか。KORGのボコーダーVC-10は、8:30では聞かれるんだけど、Night Passageでは使われていないように思う。
トラック5のRockin' In Rhythmは、3分の短い曲であるけれど、ザビヌルのすごさがつまっている。効果音、ビブラートを思い切りかけたブラス、間が抜けたようなリード。突き刺さるCPとローズ。これをライブで披露していたのだから、やはり、最高のキーボード奏者である。2本の手で弾ける限界だよなぁ、これ。続くトラック6の「Fast City」では、時々左手でローズを弾きながらピロリロリロリロと弾くシンセソロが、たっぷり聞ける。シンセは、どれがどの機種の音なのかよくわからないのだが、それも、上記機材に慣れたザビヌルの、一つの境地であると思う。
もちろん、ウェインもジャコもアースキンも最高である。
品切れしてプレミアが付くかもしれないから、新品で入手可能なうちにどうぞ。
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