DVD-Audio: Jason Miles「Celebrating the Music of Weather Report」
DVD-Audio: Jason Miles「Celebrating the Music of Weather Report」
TELARC 2001年 DVDA-73473
DVD-Audio、サラウンド5.1チャンネル、ステレオ2チャンネル
2019年12月にamazon.co.jpで購入、2290円
懐かしさ | ★★★ |
楽曲 | ★★★★ |
演奏 | ★★★ |
録音 | ★★★★ |
購入満足度 | ★★★ |
Jason Milesがプロデュース、アレンジ、キーボード、プログラミングを担当した1枚。表面には豪華なミュージシャンリストが表示され、Jason Milesはその中に目立たないように入っているが、普通に考えれば、これはJason Milesのアルバムであると思う。そう書いた方がよかったのに。
5.1チャンネルで再生する場合と、2チャンネルで再生する場合で、極端に音が違う。5.1チャンネルでは、サブウーハー(LFE=Low-Frequency Effect)のレベルが高い。他に類を見ない高さである。サブウーハー酔いを体験したい方は、ぜひ購入して再生してみていただきたい。それに比べると2チャンネルは普通である。全般にドラムスの音量が小さい。もう少し大きくしたら、印象がだいぶ違うものになったろう。
Weather Reportの曲を打ち込みで作る、という、他に見られない大胆な試みがなされている。Weather Reportがどんな風にそのアルバムを作っていたのか、私は証拠となるものを持たず、機械的なクリックトラックを最初に作って、それに合わせて録音するということが、どの程度あったのかはわからない。あったかもしれないし、なかったかもしれない。部分的にそうしていたかもしれない。とにかく、秘法であったと思う。
このCelebrating the Music of Weather Reportは、テンポがひどくスクエアに聞こえる。私は自分の演奏を録音するにあたって100%のクォンタイズを日常的に使っているので、テンポがスクエアであることに意義を唱える気はない。Weather Reportの曲をスクエアな打ち込みでやるとこうなる、というのが、新鮮でもある。ただ、ジャズファンの多くは、違和感を覚えるかもしれない。
アレンジが、原曲に近いのも、良し悪しであるなぁ、と思う。Celebrating the Music of Weather Reportを聞くと、ZawinulとShorterが優れた作曲家であると感じるのだが、曲の良さを引き立てるには、アレンジを思い切り変える方法もあったと思うからだ。意外性がなくて反発を感じる部分はないが、新鮮さは薄い。
サラウンドは面白いし、ステレオも、CDレベルよりは、少し音がいいように思う。CDを図書館から借りて聴いた時よりは、今回の方が印象が良い。
とりあえず、Jason Milesという人の存在を知ることができたから、その点では買ってよかった。
H2