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舘野泉

2021年1月23日 (土)

SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「記憶樹(Albero Di Memoria)」

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SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「記憶樹(Albero Di Memoria)」
Avex Entertainment Inc. AVCL-25713 2010年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/5.0チャンネル
2018年1月にヤフオク!で購入。730円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★

本ブログで取り上げる舘野泉のディスクはこれが4枚目だ。このディスクは、なかなかにわかりにくく、時間をかけて聴く必要がありそうだ。

舘野はブックレットの中で次のように書いている。「前回のCDをリリースしてから、ほぼ4年の月日が過ぎようとしている。4年間の中断があったのは自分としてはかなり珍しい。ただ、復帰後、左手のための新しい作品が次から次へと生みだされ、それを消化吸収し、演奏していくだけでも精一杯という状況にあったことは確かである」。

このディスクには「記憶樹」「風のしるし・オッフェルトリウム」「ディヴェルティメント」の3曲が収められている。2曲目は以前に録音されてディスクになっているが、1曲目と3曲目は新作だろう。いずれも現代曲で、そのことを隠そうとしていない。ポップではない。硬派だ。良さを言葉で表すのは難しい。こういう曲と演奏が、嫌いだという人もいるだろう。

録音は、Sello Hall, Espoo, Finlandで行われた。ピアノはSteinway D-274 No. 562404だ。ヨーロッパのエンジニアのピアノの的確なとらえ方には感服する。いい音だ。

何度も再生して、少しずつ感じていくしかないかな、というディスク。広く薦められるディスクではないが、自分では、買えて、聴けて、よかったと思う。

H2

2018年8月23日 (木)

SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「Finnish Piano Music Best Collection 2(フィンランドピアノ名曲コレクション2)」

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SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「Finnish Piano Music Best Collection 2(フィンランドピアノ名曲コレクション2)」
Pony Canyon Inc. PCCL-60007 2007年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/5.1チャンネル(たぶん)
2018年8月にamazon.co.jpで購入。3000円

 

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★

先日、舘野泉の「シャコンヌ」のレビューを書いた(SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「シャコンヌ(Chaconne)」)。そのディスクがあまりに素晴らしく、同じミュージシャンで他に入手できるものはないか調べ、買ったのがこちらのディスクである。新品時の価格より、高く買ってしまったであろうと思う。

このディスクが録音されたのは1988年で、舘野泉は両手で弾いている。ブックレットには舘野が自身で書いた楽曲解説がある。「私自身は少年の日から北欧に憧れ、若き日の夢の導くままにフィンランドに定住して、はや24年になる」と記している。その憧れを理解できるような気がするような、素敵なディスクである。

フィンランドピアノ名曲コレクションの2枚組は、図書館でCDで借りてきて聴いたことがある。いいなあ、と思った。BGMとしてかけて過不足ない。飽きない。いいなぁ、と思う。

買うならやはりSACDがいい、ということで今回買ったわけだが、CDより音がいいかどうかというと、いいような気もするし、大差ないような気もするし、あまりはっきりしたことは言えない。でも、どことなく、雰囲気がいいような気はする。

リマスタリングされた5.1ch(たぶん)があるのだが、マルチから起こしたのか、それとも2チャンネルマスターから起こしたのか、定かではない。ものすごく控えめなサラウンドで、LRを切ってボリュームを思い切り上げて、なんとかセンターとサラウンドが鳴っていることを確かめられる程度で、2チャンネルと、大差ない気もする。

左手一本になった舘野泉とは、当たり前だが、音数が違う。で、このディスクを何度も聴いているうちに、現在のピアノ曲の多くは、音が多過ぎるのではないかと思うに至った。私が聴きたいのは、もう少し音数が少ないピアノ、音数が少ない音楽なのかもしれない。坂本龍一や久石譲がそうであるように。そういうものを、まあ、自分でも作っていこうか、と考えている。

舘野泉、フィンランド、シベリウス、などの言葉にピンと来たなら、購入する価値があるだろう。入手が容易ではないかもしれないけれど。

H2

 

2018年8月15日 (水)

SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「シャコンヌ(Chaconne)」

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SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「シャコンヌ(Chaconne)」
Avex Entertainment Inc. AVCL-25746 2011年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/5.0チャンネル(たぶん)
2018年8月にヤフオク!で購入。1353円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

舘野泉の持っていないSACDがオークションで出ていたので購入した。このところ、SACDがあまり売られていないので、見付けたら買おうということになる。届いてテスト再生し、そのまま引き込まれて再生し続け、この文章を書いている。

9曲のうち3曲は新録音で、他は再録音である。ある意味、ベストというか、弾いて弾いてできあがったものを録音したと言えるのかもしれない。

ピアノはスタインウェイD-274 No. 562404だ。以前記事を書いたアルバムではスタインウェイのA-188が使用され、その音のすばらしさに驚いた。今回のDは、Aに比べると重み、迫力があるけれども、若干、クリアさでは負けるかもしれない。どちらにせよ、良い音である。ピアノの調律も、ホールも、録音も、最高レベルである。ピアノの音を堪能できるディスクと言えるだろう。

ピアノの魅力というのは、やはりラウドペダル(サスティンペダル、ダンパーペダル)にあるのかもしれない。ラウドペダルを使うことで多くの音を鳴らすことができる。ハープやビブラフォンがそれに近いかもしれない。

で、ピアノソロだと、多くの弦が叩かれ、響き、音の様相を変え、持続し、減衰していく様が、くっきりと捉えられる。これが美しい。他の楽器とのアンサンブルだと、ディケイがしっかり聞こえない。やはりソロだよね、という気持ちになる。

ピアノはいろいろと音が回る楽器である。弦が複数あるし、ボディの中でも回るし、外に行っても回る。その回転を楽しむには、やはりサラウンド(マルチチャンネル)は魅力的であると思う。

このディスクのサラウンドは、OPPO BDP-103の画面から得られる情報では5.0チャンネルである。私の部屋で普通に簡便な方法で再生すると、フロントがNS-10M、センターがNS-M125、リアがタンノイのmercury mx3で、アンプはパイオニアのVSA-919AHだから、高級オーディオとは言い難い。音に破綻はないが、低音の魅力がない。

そんなわけで、BDP-103のアナログ出力を使い、フロント2chをBehringerのパワードモニターB3031A+ディナウディオのパワードサブウーハーBM14Sにして、疑似5.1チャンネル再生を試みた。VSA-919AHとパッシブラインセレクタとMR-2000Sとdbx QUANTUMの設定をちょこちょこと変更せねばならず面倒であるが、その甲斐はあった。適度な重さと広がりのある音が出てきた。

舘野さんの左手の演奏は、左手の5本指で弾かねばならないため、どうしてもラウドペダルを多用しなければならず、それがまた、ピアノの最大の魅力を、大いに引き出しているのではないかと思う。両手でラウドべダルを使うとやり過ぎになることがある。鳴らせばいいんだろ、的な。

いや、いくら聴いても、良い音だ。

オーディオ装置でピアノを聴くのが好きな人は、ぜひこのディスクを手に入れて、全力を尽くして再生してみていただきたい。

Albert Sassmann執筆、城所孝吉訳の「プログラムノート」も素晴らしい。舘野さんの「このCDに寄せて」も良い。

H2

2017年10月21日 (土)

SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「その左手のために 左手のためのピアノ作品集3(Piano works for left hand Vol. 3)」

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SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「その左手のために 左手のためのピアノ作品集3(Piano works for left hand Vol. 3)」
Avex Entertainment Inc. AVCL-25119 2006年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/5.1チャンネル
2017年10月にヤフオク!で購入。990円

懐かしさ
楽曲 ★★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

舘野泉という左手のピアニストがいると聞いてはいた。SACDが安く出ていたので買ってみた。打ちのめされた。私は手が2本あっても、この人の左手に、天文学的な差で及ばない。

舘野氏の文章から少し引用。

「2002年の1月に脳溢血で右半身不随の身になってから、既に5年の歳月が流れ去ろうとしている。最初の2年間は、音楽に見捨てられたと思い、人生に何の希望も持てずに過ごした。だが、苦しかったその年月こそ、実は自分にとって掛け替えのない貴重な日々をもたらしてくれたのだ。」

「詰まるところ音楽とは技術の難易ではない。演奏によって何を伝えるか、何を表現するかが最も大事なことである。このことが分かるのに、最初の苦しい歳月が欠かせないものだった。『飢えは最上の料理人』と言うが、音楽に対する飢えにさいなまれたその時期こそ、こんにちの私の支えとなってくれていると思う。」

音の一発一発に、この上なく力がある。スタインウェイAのNo.432490であるというが、これまで聴いた、録音されたピアノの中で、最上ではないかと思える音だ。

曲がまたいい。「スケッチ・オブ・ジャズ」は、ジャズを楽譜に定着させるという試みをしていて、それが成功している。これなら、クラシックとして演奏されうるかもしれない。演奏も、ちゃんとジャズに聴こえるんだ。アヘッドだから。

こういう感動があるから、ディスクを買っちゃうんだよなあ。amazon.co.jpで「izumi tateno sacd」と検索して、2点注文した。

ピアノが好きな人は、ぜひ聴いておくんなさい。

H2

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