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原信夫とシャープス&フラッツ

2017年9月15日 (金)

SACD: 原信夫とシャープス&フラッツ(Nobuo Hara and His Sharps & Flats)「Last Forever」

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SACD: 原信夫とシャープス&フラッツ(Nobuo Hara and His Sharps & Flats)「Last Forever」
ewe records, a division of east works entertainment, Inc. EWSA 0158(TGGS-145) 2009年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/4チャンネル
2017年9月にヤフオク!で購入。1500円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★★

私が子供のころは歌謡曲全盛で、テレビの歌番組では日本のビッグバンドが伴奏を務めていた。歌謡曲のコンサートというのも一度行ったことがあるが、ちゃんと生バンドであったように記憶している。カラオケ流してライブする、ってのは、今でも抵抗がある。ちゃんと演奏してほしいのだ。私としては。ちょっと話がずれるが、日本では、バレエもミュージカルも生バンドが付かないことが少なくない。米国がうらやましい。

日本のビッグバンドの中で、一番硬派であったのがシャープス&フラッツではないかと思う。ラジオでエアチェックしてジャズを聴くようになり、シャープス&フラッツも、おそらく聴いたことがあるのではないかと思うが、あまり印象に残っていない。Woody Hermanとかの方が記憶に残っている。おそらく、当時の私は、ジャズに日本のテイストを入れることが、なかなか理解できなかったのではないだろうか。それを受け入れられるようになったのは、山下洋輔や坂田明を聴いてからかな。何にせよ、日本人がジャズをやるというのは、一筋縄でいかない。でも、Joe Zawinulも、オーストリア出身の白人であることにコンプレックスを持っていたようなので、ま、仕方ないか。

オークションでこのSACDを見た時に、うーん、あまり期待できないかな、と思ったのが正直なところ。図書館でこのライブのDVDを借りて視たことがあり、その時にピンと来なかったからだ。ところが、SACDは大違いであった。

DVDの問題の一つは、どうしても画像を見てしまうことだ。今のハイレゾのディスプレイで見ると、DVDの画像は小さいし、大きくするとアラが目立つし、で、その点だけで興がそがれる。SACDだと、音に集中できる。

また、このSACDは、DVDに比べて、オーディオマニア、ジャズマニア向けの作りがされている。マルチ音声は4チャンネルで、フロントLRにある程度の大口径を用意していないとちゃんと鳴らない(我が家ではせいぜいBehringer B3031Aの18cmだが)。ライブの曲順では最初が「A列車で行こう」だったが、それはカットされている。DVDは「A列車で行こう」で始まるのだが、なんか、それを見て気抜けした覚えがある。確かに、聴きたい曲ではあるんだけど、本気じゃないというか。それはある意味当然で、PA(Public Address、SR=Sound Reinforcement、電気による拡声)を使うライブの場合、1曲目は調整用なわけ。ごあいさつ、というか。その点、このSACDはライブの3曲目を冒頭に持ってきて、最初から全開を聞かせてくれる。その仕上げが、すごくいい。

そんなわけで、1曲目を鳴らした瞬間に、「あ、これ買って正解」と思った。音がいい、演奏がいい。曲がいい。そして、シャープス&フラッツの最後のコンサートなのだ。

ジャズは、aheadな感じ、前へ進もうとする意欲が命であると思う。それがないジャズは、ジャズに聴こえない。クラシック畑の人が演奏するジャズは、技術的にもおかしいことがあるし、精神の面で、aheadな感じが欠けていることが多い。ジャズをずっとやってきた人でも、自分が置かれた状況に満足し、先へ進むことをあきらめた瞬間、それはジャズに聴こえなくなる。ある意味、怖い音楽だ。

このSACDに収録されているシャープス&フラッツの演奏は、まさにジャズである。だれよりもジャズの経験を積み、ジャズを演奏し続け、そしてこの高みに到達した。これが最後であるのは残念だけれど、でも、それでいいのだと思う。永続はありえないのだから。

日本に、こんな素敵なビッグバンドがあった。それが嬉しい。

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※下に示すリンクはSACDではないかと思いますが、中古の中にはCDが間違ってリストされているものがあるかもしれません。購入時は注意してください。

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