SACD: 矢野顕子(Akiko Yano)「ピヤノアキコ。」~the best of solo piano songs~
SACD: 矢野顕子(Akiko Yano)「ピヤノアキコ。」~the best of solo piano songs~
Epic Records Japan Inc. ESCL 10004 2003年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2016年6月にブックオフで購入。1180円
懐かしさ | ★★★ |
楽曲 | ★★★★ |
演奏 | ★★★★★ |
録音 | ★★ |
購入満足度 | ★★★★ |
矢野顕子のピアノの弾き語りを16曲集めたディスク。1992年「Super Fork Song」、1995年「Piano Nightly」、2000年「Home Girl Journey」から選ばれた曲と、新録音(2003年)の2曲、1976年のライブ音源が1曲入っている。時系列で入っているわけではなく、録音時期によって音質は微妙に異なるけれど、でも、それを気にさせないレベルに、よくまとめている。
矢野顕子が作詞作曲をしている曲は3曲で、他の人による曲が多い。でも、「ヒトの曲、矢野が歌えば矢野の曲」と解説に書いてあるが、まさにその通りで、だれの曲なのかなんて、どうでもよく思える。
このアルバムを聴くと、目の前に曲の世界が現出するような感覚にとらわれる。世界があり、それをまざまざと見ているような気がする。特にそれを感じるのは、「雷が鳴る前に」「さようなら」「愛について」と連続するところと、1曲英語の曲をはさんで出てくる「ニットキャップマン」だ。子供を持つ親になって、「さようなら」は、平常心では聴けない。「愛について」を聴くと、子供の愛のとてつもない大きさについて考える。親の愛もあり、男の愛もある。「ニットキャップマン」には人生が詰まっているように思う。
ピアノと、人の声と、歌詞によって、これだけのものが作れるのだという、驚くべき1枚。
最後に収録されているメドレーは、昔、ラジオで似たような演奏を聴いたような気がする。まったく同じではなかったかもしれないが。変わってないのが、というか、ぶれなく続けてきているのがすごい。ピアノも、とてもうまい。
矢野顕子が嫌いな人には耐えられないだろうけれど、そうでなければぜひ。
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