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笹路正徳

2017年2月 8日 (水)

SACD: M.Sasaji(笹路正徳)& L.A.Allstars「BIRDLAND」

20170208a

SACD: M.Sasaji(笹路正徳)& L.A.Allstars「BIRDLAND」
Sony Music Entertainment(Japan) Inc. SRGL 614 2000年
SACD、ステレオ2チャンネル
2016年7月にamazon.co.jpで購入。3000円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★

私が最初に一流ミュージシャンのライブに行ったのは、渡辺香津美のGANESIAツアーの浜松公演であったことは以前に書いた。そこでキーボードを弾いていたのが笹路正徳である。カワイのエレクトリックグランドの上にJupiter 80、左手にハモンドのソリッドステートのオルガンとminimoog。あと、Prophet 5もあったんじゃなかったかなあ、とおぼろげに記憶している。ショルダーキーボードはClavitarだった。そんなわけで、笹路さんについては懐かしさがある。

とはいうものの、このSACDの音は、懐かしさにはほど遠い。曲はBirdlandを始めとして懐かしいものがいくつかあるし、ビッグバンドというと、それに懐かしさもあるのだけれど、ここにある音はイキのいい、新鮮な、新しい音で、感傷にひたるためのものではない。

ジャズが懐古的に聞こえるか、イキのよいものに聞こえるかはほんのわずかな差なんだけれど、でも、懐古的なものは、本来のジャズではないと思う。

ビッグバンドというと、私が少年時代にラジオで聴いていたのは、グレンミラーやウッディハーマンとかだったりして、それはそれで素敵だったんだけど、ビッグバンドの音にまだまだ可能性があると気付かせてくれたのは、やはり、Jaco Pastorius Big Bandだった。もう、全然違ったもんね。日本の大学のビッグバンドがこぞってコピーしていたのがうなずける。私も本当はビッグバンドがやってみたかったのだけれど、私が入った大学にはそういうものがなく、音楽活動も、学業を投げ出すほど一生懸命やったわけではなかったので、普通に会社員になってしまった。

で、笹路さんは、「コンボジャズは、既に完成を見た感があるが、ビッグバンドを含む大編成のインストルメンタルミュージックはまだ可能性が沢山残っているように思えたので、それにチャレンジしようと考えた。」と書いている。2000年ごろにそういうことを考えていたということで、今はまたどう思っているかわからないが、とにかく、そういう考えで、譜面を書いて、Los Angelsの腕っこきを集めて演奏してもらって作ったのがこのSACDだ。

1曲めのBirdlandはおなじみの曲だが、ディストーションギターを前面に出しているのが新鮮。ちょっと舌足らずなドラムも、威勢がいい。シンセなしでやっているのは、やっぱり、シンセがあると、ザビヌルをまねるかどうかで迷いが生じるからでしょうね。まねてもまねなくてもうまくいきそうにないし。

2曲目のGirl Talk以降も、気の利いた演奏が並ぶ。古今の名曲の、新たな側面といった感じ。いい感じいい感じ。ボーカルものもあったりして、1曲ごとに趣向や緩急が違い、流していて飽きがこない。あっという間に9曲が終わり、またかけたくなる。

解説書も、よくできている。取材して書いていて、笹路さんの1曲ごとのコメントもいい。笹路さんのお気に入りアルバム3枚も、さもありなん、という感じで嬉しくなった。

この「BIRDLAND」というディスクは、2チャンネル版と、2チャンネル+サラウンド版があり、今回紹介したのは2チャンネル版。間違えて購入して、「しまった!」と思って、なんなら誰かにプレゼントすればいいか、と思ったのだけれど、まだ家にある。サラウンド版については、また書きたいと思う。

SACD向けに作られた、ちゃんとしたいい音を聴きたいと思う人は、探す価値があるディスク。ぜひ、お聴きください。

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