SACD: Ulrich Herkenhoff「Balkan Rhapsody」
SACD: Ulrich Herkenhoff「Balkan Rhapsody」
Musikproduktion Dieter Oehms GmbH OC 603 2005年
SACD/CDハイブリッド、マルチチャンネル(4ch?)/ステレオ2チャンネル
2023年3月にヤフオク!で購入。790円
懐かしさ | ★★★ |
楽曲 | ★★★ |
演奏 | ★★★★ |
録音 | ★★★★★ |
購入満足度 | ★★★★★ |
マルチチャンネルで音楽を聴くことの至福。こういうのがあるから、SACD購入がやめられないのだよなぁ。
このディスクを買おうと思ったのは、パンフルートの音がどんなものか知りたかったからだ。パンフルートという楽器は、身近で見たことも聞いたこともない。この楽器の印象が強いのは、General MIDI規格にそれがリストされていて、1992年末に買ったローランドSC-33で打ち込みをしていた時に、メロディにその音を使うことが多かったからだ。私にとっては懐かしい音色の一つで、2022年にも手慰みで1曲作ったりした(その音はこちら)。
ただ、本物は全く知らない。それも問題があるので、このディスクを買って聴いてみようと思った。
再生して、「あー、こういう音なんだー」という感動があった。アタックは、遅くも早くもできるのね。尺八に近いかも。
Ulrich Herkenhoffという人は、今回初めて名前を知った。オフィシャルWebサイトはこちら。大したもんだと思う。パンフルートの後ろでは、交響楽団が演奏し、指揮は上岡敏之。上岡氏のWebサイトはこちら。この人も私は初耳で、おー、すごい人がここにもいた、と感じた。
このディスクは、録音が素晴らしい。クラシック音楽はコンサートホールや教会などでの録音が多いが、これは録音スタジオで、パンフルートがまさに、そこで鳴る。音の配置と混ざり方が素晴らしく、マルチチャンネルで音楽を聴く至福を感じる。音量の大小(コンプレッションというべきか)も絶妙で、聞こえなかったりうるさかったりしない。欧州の録音技術ってすごい。
エンジニアが2人いて(録音日が違うからかな)、エンジニアによって音は違う。どちらかというと、トラック1~5、13~25の人の方が好み。
映画音楽では、クラシックのスタジオ録音も時々耳にするんだけど、映画音楽だとやっぱり、映像と組み合わせてナンボ、であり、音楽を単体で楽しむことは難しい。マルチチャンネルで音楽を楽しむ、というのは、やはり、SACDが登場したことで復活した行為であり、その点で、SACDというメディアは高く評価されてよいのではないかと思う。
まあ、マルチチャンネルで音楽を再生するのは、ある程度の設備投資が必要なので、それをする人が多くないのはよくわかっている。
私が少年だった1970年代、レコードの4チャンネル再生というものがあった。それってすごいんだろうなぁ、と憧れたが、親にその環境を整えてくれとは言えなかった。オーディオマニア的な行為だからねぇ。というか、ねだりたいものが他にたくさんあったから、そこまでは言えなかったというべきだろう。
2005年にこんな素敵なディスクが作られて、それが自分の手元に来て、良い音を楽しめていることを、心から嬉しく思う。
H2
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