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2021年11月

2021年11月26日 (金)

Roland UA-S10のCD音質に驚く

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このところ、2枚音楽CDを購入した。届いてOppo Digital BDP-103で再生して、音が良くないことに驚いた。これまで持っていたWAVデータと同じ曲があり、パソコンからUA-S10で出力した音に慣れていたのだが、同じ曲が入ったCDをBDP-103で聴くとぱっとしないのだ。

UA-S10のコントロールパネル(上図)の右上端には「1bit」というボタンがあり、2チャンネル再生時には、原則そこをオンにして使う。CD由来の44.1kHz、16ビット、2チャンネルのデータは、UA-S10の機構によって1ビット化されて再生される、らしい。で、その方が、BDP-103でCDを再生するのより音が良い。

音楽CDはリッピングして聴くべきだということか。うーむ。

SACDは、BDP-103でも十分良い音がすると思う。DSDデータをUA-S10で再生する際は、もともと1ビットデータなので、1ビット化の処理は行われないはずだ。

これまで、BDP-103で音楽CDを再生することは、あまりなかった。

オーディオの世界は大変だわ。

H2

 

2021年11月 4日 (木)

SACD: 辛島文雄&ケイ赤城(Fumio Karashima & Kei Akagi)「グランド・ニュー・タッチ(GRAND NEW TOUCH)」

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SACD: 辛島文雄&ケイ赤城(Fumio Karashima & Kei Akagi)「グランド・ニュー・タッチ(GRAND NEW TOUCH)」
Pit Inn Music Inc. VAGM-1001 2003年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2021年10月にヤフオク!で購入。1211円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★

SACDなどのハイレゾ・ディスクを時々購入する。オークションでは、買うタイミングを自由にできないので、複数のディスクが同時に家に届くことがある。SACDプレーヤーにかけてSACDとして再生できることを確かめて、棚にしまう。今回は、複数届いたディスクの中で最後にかけたのがこの「GRAND NEW TOUCH」で、そのまま聴き続けた。私にとっては、引き込まれるディスクであったということだ。

トラック1「Someday My Prince Will Come」、トラック3「Autumn Leaves(枯葉)」、トラック5「Summertime」はピアノ二重奏で、トラック2「Playroom」はケイ赤城のオリジナルで本人による独奏。トラック4「Tony Williams」は辛島のオリジナルで本人による独奏である。

グランドピアノ2台を向かい合わせ、蓋を取り去る、というのがピアノ二重奏の、ライブにおける一般的なセッティングである。会場で視聴している人にとっては、どちらが何を弾いているのかをある程度目で判断できるから、そのセッティングはさほど問題がないと思う。

ただ、そのセッティングでは2台の音がほぼ同じ位置に定位して混ざるから、それをそのまま録音して音楽ディスクにすると、どの音がどちらの奏者によるものなのか、皆目見当が付かないことになりかねない。

このディスクの録音をした人は、さすがにそれはまずかろう、ということで、ピアノのそれぞれに、高音域、低音域を狙ったオンマイクを2本ずつ立てている。ディスクで聴くと、左寄りに辛島のピアノの音が、右寄りに赤城のピアノの音が入っている。ステレオスピーカーのセンターに座って聴くと、どちらのピアノが鳴っているのかを、まあまあ判別できる。この定位は好ましいし、残響の質と量も適度である。ダイナミックレンジも、ほどよく調整されていて、聴きやすい。録音はけっこう良いと思う。

2002年という年に、ジャズピアニストという人がまだ存在していることが嬉しい。解説文は「両者の奏法の基盤となっているのは、バド・パウエルを出発点にセロニアス・モンク、(中略)を経て発展してきたモダン・バップ奏法だ」と記している。私は高校生の時に自分のバンドを組んだが、それはピアノ・トリオであったから、ビバップの影響を受けていないとは言えない。ビバップ的な弾き方はうまくできないし、それを習得しようとして努力したかというと疑問だから、このディスクに出てくるピアノの演奏が好きかというとちょっと首をひねる。とはいうものの、懐かしいことは懐かしい。今でもこういうことをしている人がいるんだなぁ、というのは、私としては嬉しい。辛島と赤城の演奏は確かで華麗で、聴きごたえがある。

というわけで、私は、このディスクを入手できたことを嬉しく思っているし、今後も、再生する機会があるだろうと思っている。

一方で、こんな風だからジャズを聴く人が減ったんだよなぁ、と、暗い気持ちになる1枚でもあった。

Someday My Prince Will ComeとAutumn LeavesとSummertimeのテーマを、冒頭部だけでも口ずさめない人は、このディスクを聴いても、まったく理解できないだろう。モダンジャズの定型として、テーマ→即興→テーマという約束ごとがあるが、トラック1のSomeday My Prince Will Comeの場合、はっきりとテーマが出てくるのは始まって2分後だ。そこまでにもいくつかのシカケがほどこしてあるが、「キンコンカンコン」で微笑むのはジャズの遊びに慣れていないと難しいだろうし、ベースの同音反復はMiles Davisの演奏(ディスク紹介はこちら)が本歌であるのだけれど、それは、本歌を知らないとわからない。

Tony Williams(写真はこちら)だって、多くの人は、誰なのか知らないだろう。

こんな風に考えると、ここまで聴衆を絞って、音楽って成り立つのか?と思ってしまう。snobbishである。演奏後の拍手に熱さが感じられないのも、仕方ない。

ディスクの解説もすごくて、「デュエットの3曲はいずれもマイルス・デイヴィスにゆかりのスタンダード曲で説明の要はないだろう」だとさ。無知な人は聞くな、と言わんばかりである。やれやれ。

私は幼いころ、ウルトラマンとウルトラセブンのテーマにも興奮したが、スーザやグレンミラーにも、多くのジャズにも興奮した。事前の知識を必要としない、ストレートな音楽の楽しさがそこにはあった。

マイルスはもっとポップだったぜ。

ジャズは、遠い遠いところに来てしまい、そこに付いてきてくれる人は、もはや数えられるほどではなかろうか。

この文章をここまで読んで、それでも「ジャズピアノ好きだから」という人にお薦めする。

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