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2021年6月

2021年6月17日 (木)

SACD: Yo-Yo Ma, Ennio Morricone, Roma Sinfonietta Orchestra, Gilda Butta「Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone」

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SACD: Yo-Yo Ma, Ennio Morricone, Roma Sinfonietta Orchestra, Gilda Butta「Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone」
Sony BMG Music Entertainment SICC 10033 2004年(録音は2003年)
SACD/CDハイブリッド、サラウンド5.1チャンネル/ステレオ2チャンネル
2018年12月にヤフオク!で購入。1600円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★

私が生まれ育った日本から初めて出国したのは1987年で、渡航先は米国だった。

その前の春、私はある吹奏楽団に(まだ)所属していて、そこの女性たちが卒業旅行に行く先輩たちに「成田へ見送りに行きましょうか」と大勢で話しているのを聞いていた。私が成田から出国する時は、だれ一人、見送りに行こうという人はいなかった。いや、実は母が言ったのだが、母の健康状態が思わしくないことは知っていたから、一人で空港へ向かった。米国の空港で迎えてくれる人がいるわけでもなく、大変に心細かったのを覚えている。初めての海外旅行では、いろいろと失敗もした。

目的地はThe University of Kansasで、1987年8月下旬から1988年5月上旬まで、学生寮でソフモア(学部2年生)扱いで過ごした。一応専攻はジャーナリズムであったが、最初の学期はアンダーグラデュエイト(学部レベル)のまともな授業は1つしか受講を許されず、それ以外は外国人向けの英語の授業だった。スピーキング、ライティング、リーディングの授業が続いた。グラマーだけは試験の結果がよく受講しなくて済んだ。

The Unversity of Kansasには芸術学部があり、著名な演奏家を招いてコンサートシリーズが催されていた。生まれて初めてシーズンチケットというものを買った。学生はかなり安価であったと思う。

そのコンサートシリーズに来た演奏家で記憶しているのは、Yo-Yo Ma、André Watts、Central Philharmonic of Chinaである。演奏したのがどこだったか忘れたがオペラも観た(「セビリアの理髪師」だった気がするが、よく覚えていない)。とにかく、Yo-Yo Maを観て聴いたというのは覚えている。それ以降も、どこかで聴いた、かもしれない。

そんなわけで、Yo-Yo MaのSACDがあると、つい買ってしまう。今回紹介するディスクはその中の1枚だ。

今回のディスクは、イタリアの偉大な作曲家であるエンニオ・モリコーネにレコード会社(ソニー・クラシカル)が、ヨー・ヨー・マの演奏で録音しないか、という話を持ちかけたものだ。モリコーネは「とても信じることができませんでした」と語っている。モリコーネは自分の曲を編曲して録音に臨んだ。

できあがった音は素晴らしい。スタジオ録音で、写真を見ると、ヨー・ヨー・マはヘッドホンをかけてブースで録音し、モリコーネもヘッドホンをかけて指揮をしている。オケの後ろの方にはシンセサイザー奏者がおり、「何の音なんだろう?」と思わせるものは、シンセサイザーであろうと見当が付く。

5.1チャンネルの方しか聴いていないが、とにかく、うねってからむ。空間が弦のうねりで満たされる。リスニングポイントから少し後ろの床に布団を敷いて寝転び天井を見上げると、目の前で音がからみあっている。録音の良さは、さすが欧州、と思う。サラウンドで音楽を聴く快感がある。

バイオリンとビオラとセロは、ビブラートについては最高の楽器だと思う。ビブラートが(左手の指の動きが)目で見えるので、奏者は初級のうちからビブラートのかけ方を学ぶし、複数で演奏する際はビブラートを合わせるということもする。

管楽器ではこうはいかない。最初にしつけられるのは、ビブラートなしで音をまっすぐ伸ばすことである。ビブラートは、どうしてもかかってしまうもの、であり、意図してかけるものではないとされる。もちろん、上級者はビブラートをうまくかけるのだが、唇の動きは金管ではまったく見えないし、木管でもそんなに見えるわけではないから、正直、秘儀のたぐいである。

あー、弦のビブラートって、うねりって素晴らしいなぁ、と思う。

また、弦楽器は、管楽器よりも弱音が出せるのがうらやましい。管楽器は振動が起きるしきい値がけっこう高いので、弦みたいな弱音は出ない。

私はシンセでストリングス音やパッド音を弾くのが好きなのだが、本物の弦のうねりは、やはり、夢のようである。このディスクの弦のうねりは逸品と言える。

エンニオ・モリコーネは著名な作曲家らしいが、私は今回のディスクに収録されている曲を聴いて、「あーこれか」ということはなかった。それでも、初めて聞いても、良い曲、良い音楽だと思う。元の映画を知らなくても楽しめる。

映画音楽は、映画を知っている人の感興を呼ぶ一方で、知らない人はぴんと来ないことが多いのだが、モリコーネの音楽は、音楽だけでも十分に語っている。

サラウンドの再生環境があるなら、ぜひ。

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2021年6月 2日 (水)

SACD: Fredy Kempf/Bergen Philiharmonic Orchestra/Andrew Litton「Rhapsody In Blue」

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SACD: Fredy Kempf/Bergen Philiharmonic Orchestra/Andrew Litton「Rhapsody In Blue」
BIS Records AB BIS-SACD-1940 2012年(録音は2011年)
SACD/CDハイブリッド、サラウンド5.0チャンネル/ステレオ2チャンネル
2021年5月にヤフオク!で購入。1200円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

SACDなどの音楽ディスクを購入すると、家のプレーヤーにかけて再生して、意図したものを入手できたのかどうか確かめる。プレーヤーにSACDなどと表示され、マルチチャンネルのものがマルチチャンネルで再生されていることを確かめたらOKだ。通常はそこで再生をやめて、戸棚に置いてくることが多い。

このディスクは引き込まれて最後まで聴いてしまった。73分56秒あるディスクを、である。当たりのディスクと言える。

フレディ・ケンプは英国生まれのピアニストで、母親は日本人であるという。写真を見ると、確かに日本の血が入っているように思われる。現在は独ベルリン在住らしい。

ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団はノルウェーのベルゲンに本拠を置くオーケストラ。長い歴史を持つという。アンドルー・リットンは米国ニューヨーク生まれの指揮者で、2003年から2015年までベルゲン・フィルハーモニーの音楽監督兼首席指揮者を務めた。

このディスクは2011年にベルゲンのグリーグホール(Grieghallen)で録音された。ピアノはスタインウェイ。96kHz/24bitのPCMで録音され、サラウンドは5.0チャンネルに仕上げられている。

驚かされたのは音の良さだ。残響の質と量が絶妙。ダイナミックレンジも絶妙で、弱音が聞きづらいことがなく、強音はバシッと来る。ティンパニやオーケストラヒットがここまで気持ちよく鳴るディスクはちょっと記憶にない。

現在再生している環境は、プレーヤーがOppo BDP-103、そのアンバランス出力をローランドのミキサーFM-186に入れ、フロントがGenelec 1031A、センターが1029A。リアはフロアノイズが気になるなどの理由で、BehringerのMDX2000を介してBehringerのB3031A。今回は使っていないが、LFE(Low Frequency Effect)はDynaudio BM14Sである。

あー、サラウンドいいなあ、と思う。

PCM録音なので、DSD録音のものに比べると少しギザギザした感じがしなくもないが、それでもいい音。ガーシュインをこんないい音で聞けるなんて、感激である。

ガーシュインの音楽は、それほど真面目に聞いたことがあるわけではない。Hooked On Classicsというレコードが流行した時に、吹奏楽部で演奏し、その時にはそのレコードも借りてきて聴いた。ラプソディ・イン・ブルーが入っていた。

ただ、その後私はジャズ、フュージョンを志向していた時期があり、ジャズの開祖の一人と言えるガーシュインは、ずっと意識の中にはあった。

ジャズは、デキシーランド、ビッグバンド、コンボ、ビバップ、フリー、フュージョンなどと展開してきたわけだが、今改めてガーシュインを聞くと、私たちはみな、ガーシュインの手のひらの上で踊ってきたのかもしれないと思う。ガーシュインは偉大だ。I Got Rhythmがガーシュインの曲だったことは、今回初めて知った。

ガーシュインは米国を代表する作曲家の一人である。その後ジャズは大きく育ち、ヨーロッパでも人気を博し、アメリカ発の音楽を世界に印象付けた。ジャズはアメリカのクラシックとなりつつある。そのことは、ガーシュインの音楽を聞けば、自然なことであると理解できるのではないだろうか。

譜面に書いてあっても、ジャズはジャズである。

このディスクは、根を詰めて向かい合っても楽しめるし、BGMとして流しても楽しめる。5.0チャンネルの再生ができる方はぜひ聴いてみていただきたい。

H2

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