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2019年1月15日 (火)

SACD: 渡辺貞夫(Sadao Watanabe)「Orange Express」

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SACD: 渡辺貞夫(Sadao Watanabe)「Orange Express」
Sony Music Entertainment(Japan) Inc. SRGS 4545 1981年
SACD、ステレオ2チャンネル
2015年6月にamazon.co.jpで購入、2952円

懐かしさ ★★★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★
購入満足度 ★★★★

SACDを買い始めてすぐに新品で購入した何枚かのうちの一つ。懐かしくて懐かしくて、でも、レコードまたはCDを買ったことはなく、おそらく、貸しレコード店で借りてきてテープに録音したのだろうと思う。何回か借りてきたかもしれない。1981年、私は高校1年生であった。高校に入る前の春休み、入ることが決まっていた高校の吹奏楽部の演奏会に行き、バンドが渡辺貞夫のSUN DANCEをやっていたのにしびれ、入学したら俺もバンドをやるんだ、と思っていた。それが1981年である。

ディスクの説明文を見ると、1981年の4月、5月にニューヨークで録音した、と書いてある。この時期の渡辺貞夫はカリフォルニアの音と評されることが多いけれど、録音はニューヨークだったのね、と思う。

高校に入学し、吹奏楽部に入部し、中学時代にやっていたトランペットの志望者が多く、フレンチホルンが少なかったのでそちらに転向した。他の3人はみんな高いトランペットを買うと豪語していたが、私としては、そんな金があったらシンセ欲しいし、ということでホルンに転向したのだった。高校2年になり、バンドやるじゃん、ということで、東京にコルグのポリシックスの中古を買いに行ったのだが、雑誌広告に出ていたそんな在庫が残っているはずもなく、結局買ったのは中古のヤマハCS40Mで、それをこだま号とタクシーで持ち帰った。CS40Mを弾いてバンドを作り、演奏会では、黒いオルフェ、Orange Express、Birdlandの3曲を演奏した(もちろん、吹奏楽部全体としてはもっと多くの曲を演奏した)。本番はとんでもない失敗をして、一生残る恥となったが、まあ、それはよかろう。

Orange Expressの楽譜を買った。渡辺貞夫の「Jazz Study」という本も買った。

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あれから35年ほどを経過して、今でも持っているのだからすごい。Orange Expressの楽譜は2000円、Jazz Studyは3000円である。当時の私の小遣いは月5000円であったから、それが吹っ飛ぶ金額だ。Orange Expressの楽譜は、ほとんどの部分が「以下同様」と書いてあるし、アドリブは採譜しておらず、そのまま使えた(と言っても1音ずつ確認が必要だったが)のはホーンセクションくらいである。それでも、コードがちゃんとわかるだけでもありがたかった。勉強になった。Jazz Studyの方は、まったく理解できなかった…。

大学受験を控え、1日中家で勉強していると息が詰まるので、高校へ行って空いている教室で勉強していたら、フルートが「Call Me」を吹いているのが聞こえた。私がひそかに憧れていたNさんであった。やれやれ。

大学に入って誘われた入ったバンドでは、Straight To The Topをコピーした。スクエア編成の5人でやるのだが、私以外の4人は自分のパートを弾いてよしとしており、それ以外のすき間は、すべてキーボードが埋める必要があった。できるわけがない。でも、仕方がない。それがキーボード奏者というものである。リチャードティーのピアノソロだって、私には、内容がまったくわからなかったので、自分が弾けるようなものをでっち上げた。できんもんはできんのじゃぁ、と言うしかない。

そうそう、大学入った1984年には、ナベサダの武道館ライブも行ったっけ。確かリチャード・ティーも来てた。ベースはウイル・リーだった。

と、以上のような経験があるため、渡辺貞夫の「Orange Express」というアルバムを冷静に評論することなど、私にできようはずもない。

渡辺貞夫という人は、日本で頂点を極めたころというのは私はよく知らず、私が知っているナベサダは、世界で活躍するナベサダであった。ジャズの世界で、日本を出て活躍した人は、他には秋吉敏子がいたと思うが、圧倒的にポップだったのはナベサダであったと思う。ジャズが袋小路に入りかかり、その一つの出口としてエレクトリックなフュージョンがあり、そこにはアフリカのエスニックな風味も加えられたわけだが、その王道を行っていたのがナベサダであった。Orange Expressはデイブ・グルーシンとのコンビの最後の作品となるが、まさにここには、ナベサダwithデイブ・グルーシンの完成形があると思う。

参加ミュージシャンも豪華で、マーカス・ミラー、リチャード・ティー、エリック・ゲイル、ジョージ・ベンソンとかはまさに大御所である。日本人のナベサダが、本場米国のトップ・ミュージシャンと共にリーダー作を作り、出てくるサウンドは、やはりナベサダならではの歌心満載であるのだから、日本の高校生である私が憧れないはずはない。

デイブ・グルーシンとのコンビはOrange Expressで終わり、次からはラルフ・マクドナルドと組むことになる。そのサウンドも、私は決して嫌いではない。ナベサダについては、近年の音も素晴らしいが、それらはSACDでは出ていないと思う。

Orange ExpressのSACDだが、音が良いとは言いにくい。2チャンネルマスターテープから起こしたのだと思うが、そのマスターに入っていた音が、それほど良くなかったのだろう。ちなみに、How's Everythingはもっとひどい。でも、Orange Expressが1981年録音であることを考えると、もっといい音だったはずだ、とも言いにくい。CDよりはいい音なのかも、という程度であるが、それでも、SACD化してくれたことに感謝する。

ナベサダに出会えて、本当によかった。ありがとう。ぜひ、長生きしてください。

H2

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