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2019年8月 2日 (金)

故郷の家でアナログレコードを聴く

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父が手術をするということで、見舞いのため、故郷(といっても、小中高の12年を過ごしただけなのだが)の家に来ている。入院していると付き切りで看病をするということもなく、できるのは、面会時間に行くことくらいだ。それ以外は、仕事をするかというと、環境が整わないので今ひとつ乗らないし、仕事先に事情を説明したら頑張らなくてよいということであった。新聞があるのは少し新鮮だが、読むのに長い時間が必要ということもない。テレビを観て面白いということもない。やはりこれかな、ということで、居間のオーディオセット(ステレオ、と呼ぶのがしっくりくるが)の電源を入れてみることにした。

埃まみれで、電源コードも外されて家具の後ろに隠れていた。それでも、この場所に配置・配線したのは私で、アンプの電源コードを壁のコンセントに入れるだけで、レコードプレーヤー(ターンテーブル)とチューナーの電源が入った。レコード針(カートリッジ)もまだ生きていた。

ターンテーブルはソニーの「PS-X500」だ。

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物心ついた時、私の家にはパイオニアのステレオセットと、コロンビアのレコードプレーヤー(本体とスピーカー2個の簡易なもの)があった。パイオニアの方は、真空管が内部で光るレシーバー(チューナー内蔵アンプ)が中心で、リムドライブのターンテーブルと、スピーカー2個がセットになっていた。スピーカーはご丁寧にも、レシーバーに向かうと背面になる、壁の上の方に吊られていた。家を建て増す時に工事してもらってのではないかと思う。このレシーバーには、チューニング状態を示す「グリーンアイ」というものがあり、とても美しかったことを覚えている。

リムドライブのターンテーブルは、私が真面目に音楽を聴き、NHK教育テレビの「オーディオ入門」(名前は正確ではない)を、テキスト片手に観るようになった中学時代には、ワウフラッターが著しく、父にワウフラッターが何であるかをデモンストレーションし、買ってもらったのが上の写真のPS-X500である。

大学に入学して一人暮らしを始める時に、PS-X500は持参し、アイワの大きなラジカセに接続して使った。ラジカセをバンドの練習に持って行って道に置き忘れて持ち去られて以降は、LUXMAN L-430に接続して使った。引っ越しを繰り返す時のどこかで、実家に送ったのだろうと思う。

最初の写真に写っている赤いアンプは、パイオニア「A-X2000」である。この赤いシリーズは、姉がステレオを欲しいというので、私が電器店に行って、一緒に選んだ。スピーカー「S-X2000」、チューナー「F-X2000」、ターンテーブル「?」のセットで、ターンテーブルは、使用時にせり出してくるというギミックを持っていたが、それは壊れて捨てた。A-X2000は、メインボリュームにガリが出ているが、まだ使える。

押し入れから取り出してきて最初に再生したのは、「The Quadraphonic Sounds: Vocal(驚異の4チャンネルSQサウンド:ボーカル編)」である。FCPA-222。

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「驚異の4チャンネルSQサウンド」は、CBS・ソニーファミリークラブが企画・販売した4枚セットで、父か姉かが買ったものであろうと思う。当時の私は、いつの日か4チャンネルで音楽を聴いてみたいと思っていた。SACDマルチチャンネルでその夢が叶ったわけだが、そう思うようになったきっかけのレコードを聴くと、それが2チャンネルであっても、懐かしく嬉しい。

ターンテーブルを買いたいなぁ、と思うこともあるのだが、ここへ来て聴けばいいか。

H2

 

2019年7月 7日 (日)

SACD: The Gadd Gang「Live at The Bottom Line」

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SACD: The Gadd Gang「Live at The Bottom Line」
Sony Music Japan International, Inc. 1994年 SICP 10104
SACD、ステレオ2チャンネル
2018年12月にヤフオク!で購入、1300円

懐かしさ ★★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★

Steve Gadd(drums)、Cornel Dupree(guitar)、Eddie Gomez(bass)、Richard Tee(piano, Rhodes piano, Hammond B-3 organ)、Ronnie Cuber(baritone saxphone)による1988年9月22日、ニューヨークThe Bottome Lineにおけるライブ録音。音はすごくよいわけではないが、CDっぽい音ではなく、磁気テープの味わいがしっかり伝わってくる。演奏が適度にルーズで、それが大変に心地よい。

このバンドの編成はちょっと変わっている。ベースはアップライトだし、サックスはバリサクだし。ライブの写真が掲載されているのだが、中央奥がガッドなのはもちろん普通であるが、中央手前左にギター、さらに左にキーボード、ドラムの右にベース、そして右端にバリサクがいる。スクエア編成だと、どう考えてもサックスが中央なのだが、The Gadd Gangは、この写真を見ただけで、普通じゃないと感じる。

4曲目に「青い影(A Whiter Shade of Pale)」が入っていて、これは、私が高校時代、エレクトーン教室に通って、教科書に掲載されていて弾いた曲である。もちろん、あまりの大ヒット曲なので、The Gadd Gangなりのアレンジがほどこされているのだが、それが、気負ったものでもなく、奇をてらったものでもなく、かといって普通でもなく、美しい。リチャード・ティーのオルガンもいい。レズリーのスローとファストの切り替えにしても、こういう音を出すには、かなりの研究と練習が必要だろうなと思う。リチャード・ティーにも、やはり私は影響を受けた。Straight to the Topのソロは、どうやってもマネできなかったけれど。

ここしばらく、SACD評を書かなかった。今年初めに「Masahiko Plays Masahiko」などに感銘を受け、それを聴き過ぎて、音楽を聴くことにちょっと疲れたのが理由である。少しずつ、音楽を聴くことができるようになってきた。またいろいろ聴こう。買っただけで聴いてないものもまだかなりある。

H2

2019年1月27日 (日)

Oppo UDP-203のバージョンアップ

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Oppo Digitalのユニバーサル・ディスク・プレーヤー「UDP-205」を押し入れの箱から出してきて、ファームウエアのバージョンアップをした。上の写真のように「20XJP-60-0625」になった。このファームウエアは2018年7月17日にリリースされたもので、以前にネットワーク経由での更新と、CD-ROMによる更新を試みたが、どちらも失敗した。今回は、USBメモリー用のファイルがダウンロード可能になっており、それを使ってうまくいった。

UDP-205は、ファームウェアを更新しただけで、また箱に入れて押し入れに入れた。普段使っているのはBDP-103で、もちろん、UDP-205の方が全体としては優れているのだが、BDP-103でもさほど不満があるわけでなし、まあ、入れ替えるのが面倒だな、である。UDP-203は、予備機または安心料でよかろうと思っている。将来、103を誰かに譲る機会もあるかもしれない。

H2

2019年1月26日 (土)

CD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)、渡辺貞夫(Sadao Watanabe)、日野皓正(Terumasa Hino)、峰厚介(Kosuke Mine)、山下洋輔(Yosuke Yamashita)「マイ・ワンダフル・ライフ 富樫雅彦バラード・コレクション(My Wonderful Life - Masahiko Togashi Ballad Collection)」

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CD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)、渡辺貞夫(Sadao Watanabe)、日野皓正(Terumasa Hino)、峰厚介(Kosuke Mine)、山下洋輔(Yosuke Yamashita)「マイ・ワンダフル・ライフ 富樫雅彦バラード・コレクション(My Wonderful Life - Masahiko Togashi Ballad Collection)」
ラッツパック・レコード(Ratspack Record) 2009年 RPES-4856
CD、ステレオ2チャンネル
2019年1月にamazon.co.jpで購入、2482円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★

当ブログは「ハイレゾでいこう!」であり、ハイレゾとは何かというと、通常の44.1kHz、16ビットリニアPCMのCDよりも、何かしら解像度が高いもの、であるからして、CDはハイレゾではないと思うのだが、ここしばらく佐藤允彦の富樫雅彦シリーズを取り上げてきたわけで、そのシリーズの最後にあたるこのディスクを、買わないわけにはいかないし、書かないわけにはいかない。

音質は、CDとしては悪くないものだと思う。でも、SACDの「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦」の3枚と比べると、劣る。管楽器とのデュオになると管楽器にはある程度のリバーブが必要でピアノをそれに合わせて音が変わった、という面もあるかとは思うが、でもやっぱり、CDの限界も感じる。高域が、22kHzまではいっぱい入れてあるんだけど、それより上が嘘くさく、自然な太さがない。

世の中全部SACDに統一すればよかったのに、と思う。それがオーバースペックで高コストであろうとも、だ。

渡辺貞夫は美しい。日野皓正はがんばっている。峰厚介は思い出を表現しているように感じる。佐藤允彦は、基本的には引き立て役を務めていて、ちょっぴり歯がゆさを感じさせる。もちろん、ミュージシャンが増えてバリエーションが増えて、それはそれで聞く側としては嬉しいのだが、でも、悲嘆のストレートな表現としては、佐藤のソロ(トラック4、8、12)がぐっとくる。

最後のトラック14は山下洋輔のソロで、ライブ録音。2004年録音なので、これだけは、追悼ではなく、生きている富樫を思いながらの演奏である。でも、思いは佐藤と似たりよったりであるのか、違和感がない。ここしばらく佐藤の演奏ばかり聞いてきたので、新鮮である。

ピアノは、とても弱い音を出せる楽器で、悲嘆の表現に向く。管楽器は、どうしても、ある程度息を吹き込まないと音が出なくて、極端な弱音は出ない。ピアノを始めとする鍵盤楽器、悪くないなぁ、と思った。

このシリーズは、あまりにスイートでセンチメンタルに過ぎる、という意見はあるだろう。でも、私はスイートでセンチメンタルな音楽が好きなので、ぐっと来た。日本のジャズが到達した高みであると思う。

H2

 

2019年1月24日 (木)

HDCD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦 ORIGIN(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko ORIGIN)」

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HDCD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦 ORIGIN(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko ORIGIN)」
ewe records 2006年 EWCD 0121 (TGCS-3320)
HDCD、ステレオ2チャンネル
2019年1月にamazon.co.jpで購入、1964円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★★

このシリーズは、#2と#3を同日に購入し、それらを聴いた後で無印(#1)と、ORIGINを購入した。通常、SACDを買うようにして、CDはなるべく買わないように心がけているのだが、このCDは、買っておこうと思った。

買ってみて、Oppo DigitalのBDプレーヤー「BDP-103」に入れたところ、「HDCD」と表示された。

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少し時間を経過すると、「HOME MENU」という表示になるが、「HDCD」アイコンは点灯している。

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ただ、再生を始めると「HDCD」アイコンは点灯したり、消灯したりする。トラックごとに、HDCDであったり、通常のCDであったりするようだ。写真は撮影しなかったが、画面の「トラック タイプ」欄には「HDCD」と出たり、「CDDA」と出たりする。

ディスクの添付書類には「HDCD」についての説明が見当たらない(私が買ったものはおそらく新品ではない)。ネットでHDCD(High Definition Compatible Digital)について調べてみたが、よくわからない。CDよりも良いものにしようとしてはいるのだろうけれど、それに効果があるかどうか、私にはわからないというしかない。CDとして悪い音質のディスクではないけれども、SACDに比べると、一段落ちる気はする。

さて、聞き始めて、1曲目の安っぽい電子音に驚いた。あわてて解説書を開くと、ローランド「HP-900L」の音であるという。富樫雅彦が病床で弾いていた電子ピアノで、ダンパーペダルなしだという。それを整備してレコーディングに使ったというが、さすがにその際は、ダンパーペダル付けたんじゃないだろうか。

HP-900Lは、PCM(Pulse-code modulation)音源が一般化する前の電子ピアノで、ローランド独自の「SA(Structured Adaptive)音源」を搭載している。SA音源は、1986年発売のコンボ電子ピアノ「RD-1000」に最初に搭載され、後に音源モジュール「MKS-20」「P-330」や家庭用電子ピアノに搭載された。私はMKS-20を持っており、そのソロを録音して公開したこともある(リンク)

SA音源は音色の数が少なく、HP-900Lは「ピアノ1」「ピアノ2」「ハープシコード」「ビブラフォン」「エレクトリック・ピアノ」の5種類しかない(ちなみに、MKS-20はそれに「ピアノ3」「クラビネット」「エレピ2」を加えた8種類)。このディスクで使われているのは、「エレクトリック・ピアノ」という音色であろう。HP-900Lでは、音色の調整は、ブリリアンスのスライダー、コーラスとリバーブのボタンしかない。ペダルはダンパーとソフトである。

で、私としては、SA音源のピアノのソロなんて、私しか録音しないだろうと思っていたら、突然それが出てきて、「やられた」感があった。

このディスクに収録されているHP-900Lのエレクトリック・ピアノの音は、ローノイズであるのは工夫したのだろうと思うけれど、凝った加工がされているとは言えない。安っぽく聞こえるかもしれないのは、やむを得ない。プロ向けの楽器ではない。それでも、富樫雅彦が作曲に使っていたのはこの音だったわけだし、佐藤允彦が富樫雅彦の前で弾いたのも、この音であったのだ。ということで、このディスクが「ORIGIN」であることに、私は納得したのだった。

最初は安っぽく聞こえても、徐々に、引き込まれますよ。

H2

SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦#3(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko #3)」

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SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦#3(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko #3)」
ewe records 2005年 EWSA 0102 (TGGS-70)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2019年1月にヤフオク!で購入、1711円

懐かしさ
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★

このシリーズは、#2と#3を同日に購入し、それらを聴いた後で無印(#1)と、ORIGINを購入した。シリーズものではあるが、1枚1枚にはっきりした特徴がある。#1は、富樫雅彦が書いてきた曲を残そうというコンセプト通りのもの。#2は、#1の後に富樫がさらに曲を書いたというもの。フェンダーローズのソロも、#1になかった新機軸として取り入れられている。

#3は、「今回は『ドッシャメシャなリーフも聴きたい』という富樫さんの要望である」(佐藤)だ。曲名の横に「<F>」と書かれているのは、フリーフォームの略である。#1と#2が全体としてバラード調であるのに対し、#3は、よりスピーディである。#1で昔、#2で今の心情を語り尽くし、そう言えば、まだやってないことがあったよな、というのが#3と言えるだろう。

#3の最後の曲の解説で、「富樫さんが作曲に使っているR社のエフェクトリック・ピアノは独特の音色で、彼はそれがお気に入りなのである。録音はフェンダー・ローズ。これも一世を風靡した音色だが、やはりR社のとは違う。富樫宅で弾いたイメージを再現するのは難しい」と佐藤は書いている(#1と#2では富樫が曲目解説をしているが、#3とORIGINは佐藤)。これは、このアルバムでのやり残し、であろう。

そのやり残しをアルバムにしたのがORIGINである。私は「R社のエレクトリック・ピアノ」はRMI Electraかと思ったが、それははずれで、実際は、ローランド(Roland)の「HP-900L」であった。これについては、ORIGINの記事を書く際に触れることにしたい。

#2は、ピアノとローズの音が、#1はピアノの音が素晴らしかった。#3は、少々落ちる。ディケイもしくはリバーブが少し小さく、ボディ(音の本体部分)の響きの豊かさがあまり感じられない。スタジオもエンジニアも同じなのに、どうしたことだろうか。

考えられる理由は、(1)#3では速いパッセージが多く、ペダルを踏んでいる時間が少なく、何も変えていないのだが、音が変わって聞こえる、(2)曲と演奏に合わせて、何かを若干微調整した、(3)すべてをマルチレコーダーに録音したため、音が変わってしまった、だろうか。

#1は「DSD Recording」である、と書かれている。「本作品は収録時に演奏を直接、DSDレコーダーにダイレクト2tr録音したマスターを使用しています」である。うん、潔い。

#2は「DSD Recording」(収録時からDSDレコーダーを使用したマスターを使用しています)と、「DSD Mixing」(アナログまたはデジタルのマルチチャンネル・レコーダーから、直接DSDにミックスダウンされたマスターを使用しています)、の両方が表示され、どの曲がどちらであるかについては言及されていない。#2にはアコピとローズとチェレスタが重なった曲があり、それは当然オーバーダビングしないと作れないので、それについては、DSD Mixingでも仕方ないだろう。

#3は、「DSD Mixing」(アナログまたはデジタルのマルチチャンネル・レコーダーから、直接DSDに変換されたマスターを使用しています)である。#2の説明文と、微妙に文言が違うのが興味深い。

やっぱり、マルチを使うと、音が若干やせるのかな、と思う。

現代音楽、またはフリー・ジャズを聴かない人は、ちょっとなじめない可能性はある。私は、高校の文化祭でフリーを演奏した人間なので、親しみを感じるけれども。

H2

SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko)」

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SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko)」
ewe records 2004年 EWSA 0075 (TGGS-31)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2019年1月にamazon.co.jpで購入、8500円

懐かしさ
楽曲 ★★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

先日、このシリーズの#2と#3を購入し、#2の記事(リンクはこちら)を書いた。#1を聴いてみたいと思ったが、プレミア価格で8500円というのが一つあるだけだ。新品時の価格は2857円(税別)だから、かなりのプレミア価格である。高くなってしまったディスクにはこれまで手を出さずに来たのだが、今回は、買わずにいられなかった。

期待にたがわぬ、素晴らしいディスクであった。

#2は、とことんセンチメンタルで、人間の思いや感情を載せるのに、ジャズはすごく適していると思わせるものであった。#1は、#2に比べると、感傷が抑制されている。2002年に作られた4曲、2001年に作られた1曲はけっこう感傷的だが、それ以前の曲が入っており、#2よりも多彩である。

#2ではフェンダーローズの独奏があるが、#1は全編、アコースティックピアノである。

感傷が過度でないこと、アコピであることから、#2よりも、オススメしやすい。ピアノが好きな人(演奏する人含む)、オーディオが好きな人に広く薦められる。残念なのは、新品が安定的に供給されていないことだ。やはり、悪貨は良貨を駆逐する、のであろうか。

楽譜もほしいなぁ、と思う。佐藤さんにおかれましては、元の譜面と、演奏のコピー譜を出版していただきたい。このシリーズ、譜面になれば、100年後も残るように思うのだ。

クラシックの世界では「レクイエム」や葬送の曲というのが、昔から多い。身近な人の死や病に接し、自らの病に苦しみ、また自らの死が近付いていることを予感し、多くの作曲家が作品を残してきた。病と死を意識した時に見えてくるものがあるのだ、きっと。

あるSF小説は、人が死ななくなった未来を描いていた。惑星に一人ずつ離れて住み、時が止まったような未来であった。それ、わかるなぁ、と思った。時間制限があり、締め切りがあり、死があるからこそ、人は生を慈しむ。何かをしたいと願う。

このシリーズで佐藤允彦と富樫雅彦というミュージシャンを知り、佐藤允彦の本を図書館で借りてきた。CDも、聴けるだけ聴こうと思っている。

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佐藤允彦の音楽家としての経歴は若い時からなんとも華々しく、私もそんな風になれたらよかったなぁ、と思わないでもないのだが、でも、人の幸福というのは、華麗な経歴とイコールではない。

#2や#3に入っているローズのソロ、ORIGINに入っているSAピアノのソロを聴いて、あー、こういうのをやっている人が私の他にもいるんだ、やられたなー、と思った。佐藤允彦の技術に、私は近付くことさえできないのはよくわかっているのだが、でも、その点については、まあそれはそれで、と言うしかない。

このディスクを聴いた後に、自分が練習で録音したDSDディスクを再生してみた。意外と悪くない音である。シンセのDSDレコーディングを、これから死ぬまで、追求してみようと思う。できれば、譜面を見て、だれもが弾いてみれるものがいい。私の人生、折り返し点は過ぎたけれど、まだまだこれからだ。

H2

2019年1月18日 (金)

SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦#2(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko #2)」

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SACD: 佐藤允彦(Masahiko Satoh)「佐藤允彦プレイズ富樫雅彦#2(SATOH Masahiko plays TOGASHI Masahiko #2)」
ewe records 2004年 EWSA 0093(TGGS-48)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2019年1月にヤフオク!で購入、1480円

懐かしさ
楽曲 ★★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

SACDはあまり枚数がなく、自分が聴いたことがないミュージシャンの作品に手を出してみようと思わせる。このディスクはオークションにずっと出ていて売れず、もうちょい安くならんかなー、と買うのを躊躇していたのだが、#3もなんとか買える価格で出ていたので、この機会に両方を買うことにした。

再生してびっくり。すさまじく音が良い。これまで聴いたピアノソロのディスクでは、館野泉と中村紘子のディスクに良いものがあったが、ジャズでは、これが一番かもしれない。あと、館野と中村で良いと思ったディスクはサラウンドだったが、これは2チャンネルステレオである。2チャンネルでここまでいい音にできるのか、というのが驚きであった。

ローズのソロがあるのが珍しく、これがまた素晴らしい。「DSD Recording」と「DSD Mixing」のマークが付けられているので、ピアノソロ等の2チャンネルで済む録音はそれを使い、トラック10「The Star Of Al-Alarf」はチェレスタ、ピアノ、ローズのオーバーダビングをしているので、それはマルチテープに録音して、DSDミキシングにしたのかもしれない。

VSA-919AHにつないだNS-10M+YST-SW800で聴き始めたのだが、少し聴いて、B3031A+BM14Sに切り替えた。大きめの音量でゆったり聞きたかったからだ。すばらしい。音楽の理想的な姿の一つだと思わせる。すごい。こんな人がいたんだ。これまで知らなくてすみません。

白い紙が入っていて、佐藤允彦の文章と、富樫雅彦による曲紹介の文章がある。泣ける。「病床で毎日同じ景色を眺めている彼の無聊を慰めるために、月に一度は出かけて行くことにしているのだが、そのたびに新曲が出来上がっているのに驚かされる。一年足らずのうちにアルバム一枚には充分すぎる曲が貯まった」(佐藤)。正岡子規の「病牀六尺」を思い起こさせる。

佐藤のピアノは饒舌に過ぎることがなく、少し舌足らずな部分もあるけれども、それがまたジャズの良さにつながっている。なんとも言えず、お見事。

#1はプレミア価格になっていて躊躇したのだけれど、#2を聞いたら、買わずにいられなくなった。他のディスクもいくつか注文した。これからしばらくは、佐藤允彦ざんまいになるだろう。

オーディオ装置でピアノソロを聞くのが好きだという人に、強くお薦めする。かなりセンチメンタルなので、それが苦手だという人もいるかもしれないけれど。

H2

2019年1月17日 (木)

SACD: 小澤征爾(Seiji Ozawa)/Wiener Philharmoniker「New Year's Concert 2002」

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SACD: 小澤征爾(Seiji Ozawa)/Wiener Philharmoniker「New Year's Concert 2002」
Decca Music Group Limited 2002年 Philips UCGP-7001
SACD/CDハイブリッド、サラウンド5チャンネル/ステレオ2チャンネル
2016年7月にamazon.co.jpで購入、2868円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★

私は小澤征爾のファンである。カラヤンが来日し、もう最後かもしれない、と友人に誘われて行こうとしたベルリンフィルのコンサートは、結局、カラヤンは来日できず、小澤征爾指揮であった。1992年から1993年にかけてMIT(Massachusetts Institute of Technology)に在籍していた時は、The Boston Symphony Orchestraのシーズンチケットを買って通った(ちなみに、Boston Popsの指揮者はJohn Williamsであった)。そんなわけで、私がプロ指揮者の指揮を見た数が一番多いのは小澤である。

彼の指揮は極めてモダンで、同時振りである。打点で音が出る。前振りではなく、意味のないアクションもなく、棒を、指揮者の姿を見ていると、音楽にすーっと没頭できる。まさに、聴衆が見て聞いて楽しめる指揮だ。

小澤がウィーンへ移ることが決まり、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの指揮をしたのが、このディスクの2002年である。小澤が指揮したのは、この年だけだ。

ウィーンフィルはウィーンフィルなので、欧州のオーケストラ伝統の、今ひとつ縦が合っていない(意図して縦を合わさない)感じはある。それでも、少しは、小澤的なものも注入されている。聴いていて楽しく、明るく、新しい年の訪れを祝い、これから1年がんばろう(庶民的な感想であるが)という気になる。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートに夫婦で行ったという話を人に聞いて、「いいですねぇ、うらやましいなぁ」と答えたが、私が「うらやましい」という時は、おおむね、お世辞である。日本からツアーで行くとなると相当な額なので、うちの妻が行きたがる人でなくてよかった、と思う。

2868円のディスクを買うというのは、私としては相当がんばった方であるが、この金額で、何度も楽しめると考えれば、まあ、安いかな。

録音は48kHz、24ビットでなされ、チャンネル数は5チャンネル(サブウーハーなし)だ。うちのサラウンドのフロントはNS-10Mなのでサブウーハーなしだと低音が乏しいが、それでも、まあまあの音で鳴ってくれる。オーケストラだしね。でもやっぱり、フロントをB3031A+BM14Sに差し替えると、ティンパニなどの迫力が増す。

日本人の指揮者がニューイヤーコンサートの指揮をした、というのは歴史的快挙で、おそらく、二度とないことであろう。それをことほぎたい方は、このディスクを購入して聴いていただきたい。下のリンクはSACDで入手が難しいかもしれないが、2枚組のCDやBDもあるようだ。

H2

SACD: Weather Report「Night Passage」

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SACD: Weather Report「Night Passage」
vocalion CDSML 8541 1980年、2018年(?)リマスター
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/
2019年1月にヤフオク!で購入、2780円

懐かしさ ★★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★★★

私にとっての3大バンドは、Yellow Magic Orchestra(YMO)、Deep Purple、Weather Reportで、中でもウェザー・リポートは、Kansas留学から帰国する時にレコード屋でアナログレコードを買いあさったくらいなのだが、今は自宅にレコードプレーヤーがない。CDは、Original Album Classicsというボックスで10枚分はそろえたし、そこに入っていない「Live In Tokyo」「8:30」もある。SACDでリリースされているものは「Tale Spinnin'」「Black Market」「Heavy Weather」があることは知っていて、Black Marketはプレミア価格になっていて手が出ないでいるが、他2枚は買った。という状況でナイト・パッセージのSACDがリリースされていることを知り、それは買わねばなるまい、と新品を購入したのがこのディスクである。

Original Album ClassicsのNight Passageはこれ。

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ジャケットは、SACDの方は、左上に「vocalion」のロゴが入り、右下にSACDロゴが加えられている。上の画像と見比べていただければと思う。

音は、Original Album ClassicsのCDも、決して悪くないが、SACDと聞き比べると、CDは高域が強調されて、ピーター・アースキンの金物(シンバル)のシャリシャリが耳に痛い。SACDは高域が抑え目で、中域がよく聞こえる。1曲目でパカポンパカポンと鳴っているのはRobert Thomas Jr.のハンドドラムスなのだろうか。「あれ、こんな音あったっけ?」と思ったりした。

トラック4とトラック5「Rockin' In Rhythm」は、Original Album ClassicsのCDでは音が切れているのだが、SACDではつないである。レコードではB面の1がRockin' In Rhythmだったので、つながっていなかった。これは、どういう意図でやったのか知らないが、でも、うまくつながっている。ライブではつながっていたのかもしれない。

そう、驚くことに、このNight Passageは、ライブ盤である。拍手をカットしているので(聴衆に合図を送って拍手を遅らせていたのかもしれない)、そう聞こえない時もあり、今回、ライブであることを認識してびっくりした。

Weather Reportのアルバムの中で一番好きなのは、レコードを初めて買った「8:30」で、これは過半がライブである。レコードの時は2枚組でたっぷりしており、大ヒット曲のBlack MarketとBirdlandが入っており、ウェインのソロ曲があったり、In A Silent Wayをデュオでやっていたりして、やはりこのアルバムが不動の一位なのだが、その次のアルバムであるNight Passageも実はライブ盤であった。演奏のすさまじさという点では、8:30よりこちらが上かもしれないと思わせるものがある。

この時期のザビヌルの使用機材は、ローズ、CP、Prophet-5、ARP 2600、Oberheim 8ボイスが主なところであったろうと思う。1980年7月のライブが主だから、KORG Tridentは、まだ間に合ってないのではなかろうか。KORGのボコーダーVC-10は、8:30では聞かれるんだけど、Night Passageでは使われていないように思う。

トラック5のRockin' In Rhythmは、3分の短い曲であるけれど、ザビヌルのすごさがつまっている。効果音、ビブラートを思い切りかけたブラス、間が抜けたようなリード。突き刺さるCPとローズ。これをライブで披露していたのだから、やはり、最高のキーボード奏者である。2本の手で弾ける限界だよなぁ、これ。続くトラック6の「Fast City」では、時々左手でローズを弾きながらピロリロリロリロと弾くシンセソロが、たっぷり聞ける。シンセは、どれがどの機種の音なのかよくわからないのだが、それも、上記機材に慣れたザビヌルの、一つの境地であると思う。

もちろん、ウェインもジャコもアースキンも最高である。

品切れしてプレミアが付くかもしれないから、新品で入手可能なうちにどうぞ。

H2

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