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2021年6月 2日 (水)

SACD: Fredy Kempf/Bergen Philiharmonic Orchestra/Andrew Litton「Rhapsody In Blue」

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SACD: Fredy Kempf/Bergen Philiharmonic Orchestra/Andrew Litton「Rhapsody In Blue」
BIS Records AB BIS-SACD-1940 2012年(録音は2011年)
SACD/CDハイブリッド、サラウンド5.0チャンネル/ステレオ2チャンネル
2021年5月にヤフオク!で購入。1200円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★★
録音 ★★★★★
購入満足度 ★★★★★

SACDなどの音楽ディスクを購入すると、家のプレーヤーにかけて再生して、意図したものを入手できたのかどうか確かめる。プレーヤーにSACDなどと表示され、マルチチャンネルのものがマルチチャンネルで再生されていることを確かめたらOKだ。通常はそこで再生をやめて、戸棚に置いてくることが多い。

このディスクは引き込まれて最後まで聴いてしまった。73分56秒あるディスクを、である。当たりのディスクと言える。

フレディ・ケンプは英国生まれのピアニストで、母親は日本人であるという。写真を見ると、確かに日本の血が入っているように思われる。現在は独ベルリン在住らしい。

ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団はノルウェーのベルゲンに本拠を置くオーケストラ。長い歴史を持つという。アンドルー・リットンは米国ニューヨーク生まれの指揮者で、2003年から2015年までベルゲン・フィルハーモニーの音楽監督兼首席指揮者を務めた。

このディスクは2011年にベルゲンのグリーグホール(Grieghallen)で録音された。ピアノはスタインウェイ。96kHz/24bitのPCMで録音され、サラウンドは5.0チャンネルに仕上げられている。

驚かされたのは音の良さだ。残響の質と量が絶妙。ダイナミックレンジも絶妙で、弱音が聞きづらいことがなく、強音はバシッと来る。ティンパニやオーケストラヒットがここまで気持ちよく鳴るディスクはちょっと記憶にない。

現在再生している環境は、プレーヤーがOppo BDP-103、そのアンバランス出力をローランドのミキサーFM-186に入れ、フロントがGenelec 1031A、センターが1029A。リアはフロアノイズが気になるなどの理由で、BehringerのMDX2000を介してBehringerのB3031A。今回は使っていないが、LFE(Low Frequency Effect)はDynaudio BM14Sである。

あー、サラウンドいいなあ、と思う。

PCM録音なので、DSD録音のものに比べると少しギザギザした感じがしなくもないが、それでもいい音。ガーシュインをこんないい音で聞けるなんて、感激である。

ガーシュインの音楽は、それほど真面目に聞いたことがあるわけではない。Hooked On Classicsというレコードが流行した時に、吹奏楽部で演奏し、その時にはそのレコードも借りてきて聴いた。ラプソディ・イン・ブルーが入っていた。

ただ、その後私はジャズ、フュージョンを志向していた時期があり、ジャズの開祖の一人と言えるガーシュインは、ずっと意識の中にはあった。

ジャズは、デキシーランド、ビッグバンド、コンボ、ビバップ、フリー、フュージョンなどと展開してきたわけだが、今改めてガーシュインを聞くと、私たちはみな、ガーシュインの手のひらの上で踊ってきたのかもしれないと思う。ガーシュインは偉大だ。I Got Rhythmがガーシュインの曲だったことは、今回初めて知った。

ガーシュインは米国を代表する作曲家の一人である。その後ジャズは大きく育ち、ヨーロッパでも人気を博し、アメリカ発の音楽を世界に印象付けた。ジャズはアメリカのクラシックとなりつつある。そのことは、ガーシュインの音楽を聞けば、自然なことであると理解できるのではないだろうか。

譜面に書いてあっても、ジャズはジャズである。

このディスクは、根を詰めて向かい合っても楽しめるし、BGMとして流しても楽しめる。5.0チャンネルの再生ができる方はぜひ聴いてみていただきたい。

H2

2021年5月18日 (火)

SonyのMDデッキ「MDS-PC2」を配線

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ソニーのMDデッキ「MDS-PC2」を配置して配線した。Genelec 1031Aの上というとんでもない場所に置いた。他に適当な場所がないのだ。オンキヨーのカセットデッキ「K-505FX」も置いたが、それはまだ鳴らしていない。

配線は、MDS-PC2アナログ出力→パッシブのセレクター→Roland FM-186→Genelec 1031A+Dynaudio BM12Sだ。音量を上げるとかなりの迫力である。

机の椅子に座った状態では、MDS-PC2のボタンはけっこう遠い。付属のリモコン「RM-D36M」も試してみた。ちゃんと動いた。

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ずいぶんと色あせて、文字が読みにくい。それでも、動いてくれるようなのが嬉しい。

2000年ごろ、借りてきたCDをMDにダビングしていた時期があった。そうしたMDを久しぶりにかけてみている。

MDはCDより音質が落ちるので、今思えばすべてWAV化した方がよかったかもしれないが、当時はHDDよりMDの方が安かった。MDの音も、そんなに悪いとは思わない。飽きが来るまでの時間が短いかなとは思うけれど。

H2

2021年5月16日 (日)

SACD: 中村善郎(Yoshiro Nakamura)「Lembrança, Esperança(思い出、そして希望)」

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SACD: 中村善郎(Yoshiro Nakamura)「Lembrança, Esperança(思い出、そして希望)」
Sony Music Japan International Inc. SICP 10004 2004年(録音は2004年1月)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2020年8月にAmazon.co.jpで購入。994円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★★

何もかもどうでもよくなる音楽。「さあ張り切って仕事しよう」という音楽ではない。音に身をゆだね、あれこれと思いをめぐらせながら身体と頭の力を抜く。まさに南米、ブラジルの音楽。彼の地の人々は、こういう音楽で緊張を解き、明日に向かって力を回復させるのだろう。疲れた時、何もしたくない時に最適。まったくもって素晴らしい。

いつか、私に力が戻って来る時もあるさ。たぶん。

私自身は、高校生の時に組んだピアノトリオ+αで「黒いオルフェ(Orfeu Negro)」を演奏した。ボサノヴァというものを、全く知らなかったとは言えない。

ホテルのレストランで、ギターを持ったおじさんが流しをしていた。「イパネマの娘(Garota de Ipanema)」をリクエストして、何とか通じた。出てくる音は、まさに南米のそれであった。本物のボサを聞いたのは、あの時が初めてだったかもしれない。いくら渡したか、記憶が定かでない。

中村善郎さんは日本人であるようだが、出てくる音は本物である、と私は思う。ギターを持った流しのおじさんが、スピーカーから歌いかけてくれる。

表紙を含め24ページのブックレットが付き、中村さんの曲目解説があり、和訳付きの歌詞が掲載されている。歌詞の意味を知りたくなった時に役立つ。まあ、歌詞の内容なんてどっちでもいいか、とも思うのだが。

私はCD1枚でファンになった。皆様もどうぞ。

H2

2021年2月23日 (火)

SACD: Vladimir Ashkenazy/Sydney Symphony「Elgar: Pomp and Circumstance, Serenade for Strings」

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SACD: Vladimir Ashkenazy/Sydney Symphony(ウラディーミル・アシュケナージ指揮シドニー交響楽団)「Elgar: Pomp and Circumstance, Serenade for Strings(エルガー:威風堂々、弦楽セレナード)」
EXTON Co., Ltd. EXCL-00030 2009年(録音は2008年11月)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル
2016年12月にAmazon.co.jpで購入。2451円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★
購入満足度 ★★★

娘が「威風堂々って知ってる?」という。学校で合奏をしているようだ。家にディスクがあるよ、と持ってきて、居間のBDレコーダー+テレビ+サブウーハーで聴いた。威風堂々の1番の中間部は大変有名であるが、さほど長い曲でもないので、せめて1番だけは、最初から最後まで聴いてほしいと思ったからだ。

このディスクには1番から6番までが入っている。それらを順に聞きながら、ラスボス登場みたい、といった感想を言い合い、それを自主学習のノートに書き留めさせた。音楽鑑賞の宿題が、私が小学生か中学生の時にはあったが、今どきそんな宿題があるのかどうかは知らない。私は、モーツァルトの交響曲41「ジュピター」をかけてソファーで眠ってしまい、ひどく退屈な音楽だと思った覚えがある。まあ、子供時代にモーツァルトの良さがわかるかというと、私にはそんなことはなかった。

威風堂々1番を私が最初に聞いたのは、小学生の時であったろうと思う。「世界のマーチ集」のようなカセットテープを購入し、その中にあったような気がする。もしかしたら、FM放送のエアチェックで録音したかもしれない。威風堂々の1番は、裏拍から始まるのが新鮮で、最初のテーマがかっこよく、それを受けるテーマも素敵だ。トリオ(中間部)のメロディは美しい。出てきたものすべてが突っ込まれて大団円を迎える後半は、思い切り吹いていいぜ、というロックな楽しさがある。

威風堂々1番は、大学3年の時に所属していた吹奏楽団で演奏した。大学時代は基本的には苦いのだが、それでも、幸せな一面もあった。

今回紹介するディスクは、威風堂々の1番から6番をまとめて聴くのに好適だ。2チャンネルステレオのみなのが惜しい。録音は、可もなく不可もない。アンプのボリュームつまみをある程度上げないとちゃんと鳴らない。ある程度の音量を出せば、響きも適度に入っている。演奏は、決して悪くはないが、特筆すべき良さがあるかというと、微妙である。

威風堂々を1番から6番まで通しで聴きたいという人にお薦めする。何度も聴いているうちに、何か発見がありそうな気もする。

H2

SACD: Morton Gould「BRASS & PERCUSSION」

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SACD: Morton Gould「BRASS & PERCUSSION」
BMG Music FBCC 42182 2005年(録音は1956年10月と1959年1月)
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/3チャンネル(LR+センター、トラック18~27のみ)
2021年2月にヤフオク!で購入。510円

懐かしさ ★★★★★
楽曲 ★★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★★

この記事を読むにあたっては、筆者が、行進曲(マーチ)になみなみならぬ思い入れを持っていることを割り引いていただく必要がある。

自分のために購入されたレコードとして記憶にあるのは、ウルトラマンやウルトラセブンのオープニングテーマが入ったレコードである。レコードプレーヤーに自分で乗せて回していた。あれも、今思えば、工夫をこらした行進曲であった。

浜松市立広沢小学校にはトランペット鼓笛隊があり、高学年になったら入ろうと決めていた。入るタイミングが遅れたのかトランペットには入れず、最初はシンバル、次は大太鼓、遊びでバリトンを吹かせてもらった。西部公民館(現在では西部協働センター)の落成式に招かれて演奏したことを覚えている。

浜松市立蜆塚中学校に進学する際は、吹奏楽部に入ろうと決めていた。入部が決まり、ヤマハのトランペットを7万円くらいで買ってもらった。最初に練習したのは、月曜朝の朝礼で演奏する国歌、校歌、退場用の行進曲「Washington Post」だった。行進曲は時々変わったから、もう、何曲やったかわからない。浜松北高校でも吹奏楽部だった(楽器はホルンに転向)。中学高校の夏休み最大のイベントは吹奏楽コンクールで、どの年も課題曲は行進曲を演奏していたと思う。大学で吹奏楽団に3年間在籍し、米国のThe University of Kansas留学時には、授業の一環として、James Charles BarnesのUniversity Bandに参加、学部レベルのクレジットをもらった。Barnes御大の部屋にはスーザホンが吊るしてあった。

女性ボーカルの曲を作って歌ってもらっていた時に、デモテープを「行進曲みたい」と言われたことがある。あーこれは悪口だな、とわかったが、その時に、行進曲が自分の血肉であることに気付いた。自分としては、それを肯定するしかない。いつかは行進曲を書きたいと考えた。最初に書いたのはこちらにある「マーチ1」(プレビュー可)だ。次に書いたのはマーチ2で、こちらは最後まで聞ける。

ということで、今回紹介するディスク「Morton Gould BRASS & PERCUSSION」(邦題は「星条旗よ永遠なれ~ブラス&パーカッションの饗宴~」)は、いつか買いたいと思っていた。星条旗よ永遠なれ、ワシントン・ポスト、士官候補生、アメリカン・パトロール、どれも演奏したことがある。大好きだった。

ディスクが届いて再生し、驚いたのは、1956年と1959年に、これほどの音で録音していたのか、ということだ。演奏も録音もすばらしい。今どきの吹奏楽のディスクより、よほど本物らしい。私の記憶にあるのは、確かにこの音だ。真夏に冷房のかかった市民会館に入っていった時に聞いた音だ。

トラックの1~17は1956年10月17日、19日、26日の録音で、こちらはLR2チャンネル。トラック18~27は1959年1月22日、23日の録音で、こちらはLRにセンターを加えた3チャンネルである。

解説にはこう記されている。「ホール内にマイクロフォンを右、中央、左と3本置くことによって、最終的に2チャンネル・ステレオにミックスする時に、音楽的なバランスをより自由自在にコントロールできるようになった」「今回のSACDハイブリッド化にあたっては、可能な限りオリジナルの3トラック・テープを用いた」「RCAによる3トラック録音がオーケストラ録音において恒常化するのは1956年以降」。いやこれは知らなかった。そうか、同じマイクを3本用意すべきだったか。

録音も演奏も楽曲もすばらしい。1曲の時間が2分台のもの多く、どんどん変わっていくのも良い。かけ続けて飽きない。

ただ、配偶者に聞かせたところ、「運動会の音楽」「曲の区別がつかない」「トムとジェリーみたいでもある」と言われた。まあしょうがない。

アメリカ合衆国の行進曲が好きな人にお薦めする。

H2

2021年1月23日 (土)

SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「記憶樹(Albero Di Memoria)」

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SACD: 舘野泉(Izumi Tateno)「記憶樹(Albero Di Memoria)」
Avex Entertainment Inc. AVCL-25713 2010年
SACD/CDハイブリッド、ステレオ2チャンネル/5.0チャンネル
2018年1月にヤフオク!で購入。730円

懐かしさ ★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★

本ブログで取り上げる舘野泉のディスクはこれが4枚目だ。このディスクは、なかなかにわかりにくく、時間をかけて聴く必要がありそうだ。

舘野はブックレットの中で次のように書いている。「前回のCDをリリースしてから、ほぼ4年の月日が過ぎようとしている。4年間の中断があったのは自分としてはかなり珍しい。ただ、復帰後、左手のための新しい作品が次から次へと生みだされ、それを消化吸収し、演奏していくだけでも精一杯という状況にあったことは確かである」。

このディスクには「記憶樹」「風のしるし・オッフェルトリウム」「ディヴェルティメント」の3曲が収められている。2曲目は以前に録音されてディスクになっているが、1曲目と3曲目は新作だろう。いずれも現代曲で、そのことを隠そうとしていない。ポップではない。硬派だ。良さを言葉で表すのは難しい。こういう曲と演奏が、嫌いだという人もいるだろう。

録音は、Sello Hall, Espoo, Finlandで行われた。ピアノはSteinway D-274 No. 562404だ。ヨーロッパのエンジニアのピアノの的確なとらえ方には感服する。いい音だ。

何度も再生して、少しずつ感じていくしかないかな、というディスク。広く薦められるディスクではないが、自分では、買えて、聴けて、よかったと思う。

H2

2021年1月15日 (金)

SACD: 小澤征爾/ラデク・バボラーク/水戸室内管弦楽団(Seiji Ozawa/Radek Baborak/Mito Chamber Orchestra)「モーツァルト:ホルン協奏曲全集(Mozart: The Complete Horn Concertos)」

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SACD: 小澤征爾/ラデク・バボラーク/水戸室内管弦楽団(Seiji Ozawa/Radek Baborak/Mito Chamber Orchestra)「モーツァルト:ホルン協奏曲全集(Mozart: The Complete Horn Concertos)」
Sony Music Japan International 2015年(録音は2005年~2009年) SICC 19002
SACD/CDハイブリッド、5.1チャンネル/ステレオ2チャンネル
2021年1月にヤフオク!で購入、1277円

懐かしさ ★★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★

私は小澤征爾のファンである。彼の指揮を始めて見たのは、大学時代に友人に誘われて行ったベルリンフィルの東京公演である。ヘルベルト・フォン・カラヤンが来ることになっていて、でも体調の面で不安視されていて、その不安が的中し、代役が小澤征爾であった。曲が何だったか忘れたが、サントリーホール初体験であったことも幸いしてか、とにかく、すごい音だなぁ、これが世界一のオケか、と思った記憶がある。

1992年から1993年にかけて米国ボストンに住み、ボストン・シンフォニーのシーズンチケットを買ってシンフォニー・ホールに通った。音楽監督であった小澤征爾は、指揮でも登場した。

すごいと思ったのはファンの厚さである。シーズン中は連日コンサートがあるのだが、それが全部埋まる。大型バスに乗って年配の人が押し掛ける。幕間のロビーは社交場だ。アルコールを摂取するので大型バスで来るのだろう。バスが地方都市に着くころには酔いがさめているのかもしれない。クラシック中心のFMラジオ局ではライブ録音した演奏が流れる。チケットの宣伝がされるので、行きたくなったらすぐ電話だ。

これだけ公演が多いと、オケのメンバーは毎日のように、昼間リハーサルをして夜に本番というスケジュールになる。それによって、オケの音はホールに最適化されていく。ホールの残響の具合を把握して、それに合わせて演奏している。これは、日本のオケでは難しい。同じ場所での公演の数が少ないからだ。ファンの厚さの面で、日本のオーケストラは欧米に及ばないと思う。

小澤征爾指揮のSACDがほどよい価格で入手できる時はなるべく買うようにしている。そうして購入したのが今回の1枚だ。

モーツァルトのホルン協奏曲のディスクは、1990年代にCDを1枚買った。

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ヘルベルト・フォン・カラヤン/ゲルト・ザイフェルト/ベルリン交響楽団(Herbert von Karajan/Gerd Seifert/Berliner Philharmoniker)による、1969年のディスク(録音は1968年)、POCG-2117である。

このディスクを買ったのは、練馬交響楽団がホルン奏者を募集していて、その課題曲がホルン協奏曲1番1楽章であったからである。CDと楽譜を買い、練習して臨んだ。あまりの緊張でうまく吹けず、落選した。まあ当然だな、と思った。それ以来ホルンは吹いておらず、2006年に引っ越しする時に廃棄した。上のカラヤンのディスクは、どうも苦い思い出があって、あまり聴いてこなかった。

さすがに傷も癒えてきたようで、今回買った小澤征爾のディスクは、けっこう楽しく聴けた。モーツァルトは、子供のころには退屈な音楽だと思ったが、このごろは楽しめるようになってきた。カラヤンのディスクも今回再聴してみたが、なかなかよかった。1968年にこれほどの録音ができていたのか、と驚いた。

今回買った小澤征爾のディスクは5.1チャンネルサラウンドである。センターとLFEはほどよく控え目だが、サラウンドはとても音量が大きい。レベルインジケーターのLEDを見ていても、サラウンドの方が音量が大きいのではないかと思えるほどだ。頭や身体をリスニングポイントから後ろに持っていくと、どちらが正面なのか迷う。サラウンドが鳴らないなー、と悩んでいる向きにお薦めである。

5.1チャンネルサラウンドの音楽的なバランスは、とても良い。ホルン(フレンチホルン)の特徴の一つは、開口部を客に向けないことである(今回のソリストの写真を見るとかなりフロントセンター客向きに近いし、それはそれでOKだけれど)。ホルンの音は、手に当たり、身体や壁や天井に当たって空間を満たす。ホルンの音を単純にフロントセンターに定位させたら、それはちょっと違うのだ。このディスクでは、ホルンの音が空間を満たす感じを、うまく記録して再現している。ホルンの魅力を感じられる。

演奏は、カラヤンのディスクが1968年録音で、小澤征爾のディスクが2005~2009年録音である。40年くらいの時を経て、小澤たちの演奏は、ちゃんと正統派であり、なおかつモダンになっている。どちらも素晴らしい。

サラウンド環境があり、クラシックが嫌いでなければ、入手して聴く価値があるディスクだ。

H2

2021年1月 8日 (金)

SACD: T-SQUARE「Nine Stories」

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SACD: T-SQUARE「Nine Stories」
Sony Music Artists Inc. 2011年 VRCL 10103
SACD、ステレオ2チャンネル
2020年12月にヤフオク!で購入、1100円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★★
演奏 ★★★★
録音 ★★★★
購入満足度 ★★★★★

T-SQUAREは新作を2チャンネルSACDでリリースし続けている稀有なバンドである。SACDにすることでCDより製造コストが上乗せされるのはわかるけれど、そこをけちってどうする、という気もする。少しでも良い音で楽しみたいというのは、オーディオを愛するすべての人に共通することではないだろうか。T-SQUAREのリリース姿勢は、こうあるべきものだと思う。

T-SQUAREにはCDのみ、というものがないため(多分)、中古を安心して購入できる。これまで10枚くらい買った。ただ、このブログで取り上げたのはそのうち3枚くらいである。聴いて、「よし書こう!」と思わせるインパクトが少なく、「いつか気が向いたら書くか」となってしまっているものが多い。

ところが、今回購入した「Nine Stories」は、再生して1曲目「A Little Big Life」が出てきたとたん、「いいじゃん!」となった。明るく華やか。スムーズでスピード感がある。重すぎず軽すぎず。きらめいているけどうるさくもない。

それをもたらしたのは、この曲の作曲者であるドラマーの坂東慧であると思う。

T-SQUAREの中核はギターの安藤まさひろとサックスの伊東たけしである。でも、この二人は、作曲者としては、長く続けてきたからこその壁に突き当たっていると思う。1980年代から90年代に多くの名曲を書き、それを演奏し続けることを余儀なくされる。昔の曲を忘れるわけにはいかない。その状態で曲を書けば、新しいチャレンジをしたいと思うのは自然だ。ただ、それが足かせになってしまっているのではないだろうか。

坂東慧とキーボードの河野啓三には足かせがない。昔のSQUAREの「らしさ」に対して、恥ずかしがる必要がない。坂東と河野の曲は、昔のSQUAREらしさを、より多く持っている。外から見た、SQUAREにこうあってほしい、という気持ちが、素直に反映されている。

音数が少なくシンプルで、でも細かいところはちゃんと工夫されていて、楽器好きをうならせる。作る側に過剰な気負いがなく、聴いてリラックスできる。

1曲目「A Little Big Life」はドラムの手数が少なく感じられる。まあ、自分で曲書けば、無理にフィル入れなくてもと思うもんね。それが、曲に落ち着きをもたらしている。私は基本的にはやたらと手数が多いドラマーが好きなんだけれど、それが今風でないことも理解している。ドラムが休む瞬間は、これがやりたかったんだろうなと思わせる。メロディは過剰にメロディアスでなく、インストゥルメンタルのおいしいところを持ってきている。メロディがサックスであるのも嬉しい。

2曲目「はやぶさ~The Great Journey:奇跡の帰還~」は、ゲーム音楽みたいである。これを「ださい」と片付けないところがさすがである。細かいところには、手練れの技が盛り込まれているのだから。

4曲目「ATLANTIS」は坂東の曲。ドラムのパターンがシンプルできれい。SQUAREはこれでいいんだよね。

SQUAREは、CASIOPEAと並ぶ日本の2大フュージョンバンドである。

私が大学時代に最初に誘われて入ったバンドはギター、キーボード、ベース、ドラムスというカシオペア編成で、でもコピーしたのは渡辺香津美だったりした。で、このカシオペア編成は、アマチュアにはすごく難しいのね。それで、吹奏楽団をやめたアルトサックス吹きを誘ってきてスクエア編成に変えた。

スクエア編成は、カシオペア編成に比べるとはるかに楽。絵を見た瞬間に、だれがメロディかわかるから。サックスが吹いていれば、それがメロディに決まっている。アマチュアバンドだと、PA担当者が適切にバランスを取ってくれることはあまり期待できないんだけれど、スクエア編成の場合は、音量バランスが多少狂っていても、サックスに目が行くから、そのメロディがちゃんと脳に届く。

その編成の違いは音楽に大きく影響して、SQUAREは「曲を聴かせる」バンドになった。一方のCASIOPEAは「演奏を聴かせる」バンドである。カシオペア編成はメロディの位置がはっきりしないので、ギターとキーボードの音量バランス、アレンジバランスはすごくシビアになる。それを見事にやってのけたのが野呂と向谷。で、すき間がけっこうあるからそこでドラムとベースが自由に動ける。

ということで、編成の違いから、SQUAREでは曲がとても重要なのだということを、今回のディスクが教えてくれた。

今回のディスクは、演奏も録音も良いと思う。SACDを長年作り続けてきたことが、やっと音に反映してきたのだろう。バランスがよく美しい。デジタル臭さも感じない。SACDでフュージョンを作るならこうだよね、という形ができてきた。

安藤と伊東は、なんかサイドメンっぽいんだけど、昔から聞いてきた者にあなた方の音はちゃんと届いている。いい味が出てる。

T-SQUARE、いいバンドだなぁ。

H2

2021年1月 1日 (金)

中学生のころエアチェックしたカセットテープでYMOを聴く

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新年あけましておめでとうございます。本年も当ブログ「ハイレゾで行こう!」、兄弟ブログ「シンセな日々」「HandsOnIT」をよろしくお願い申し上げます。

年末にオーディオ再生装置の大幅な変更をした。最大の違いは、パイオニアのAVアンプ「VSA-919AH」と、それに接続していたスピーカー8台がなくなったことだ。VSA-919AH、ヤマハのスピーカーNS-10MペアとYST-SW800は、息子の机に2.1チャンネル再生装置として移動した。

それに伴い、自分の机ではローランドのFM-186がメインのプリアンプとなり、そこにGenelec 1031A(フロント)、1029A(センター)、Dynaudio BM14S(LFE)、Behringer B3031A(サラウンド)を接続した。

メインのプレーヤーはOppo Digital BDP-103。アナログアンバランスで5.1チャンネルを出し、それをFM-186の「6ch BUS IN」に入れた。その入力つまみと「MASTER」出力つまみだけで操作できるので簡便でよい。LEDのレベルインジケーターが6チャンネル分あるのも良い。

パソコンの音は主にローランドUA-S10から出す。4チャンネル分はバランス、2チャンネル分(サラウンド)はアンバランスで接続した。UA-S10の仕様上、仕方ない。

他は、コルグMR-2000Sをアンバランスでつなぎ、パッシブセレクターを介してソニーのMDデッキMDS-PS2とオンキヨーのカセットデッキK-505FXをつないだ(上の写真)。

MDとカセットを1031Aで再生するのは初めてである。MDS-PC2の再生音は、少なくとも初回は、キンキンしていると感じた(後はそうでもなくなってきたが)。K-505FXで再生するカセットテープの音は、なめらかさがあり「けっこうハイレゾ」と思わせる。中学の時にエアチェックしたと思われるYMOのライブなどを聴いて楽しんでいる。

録音当時はデジタルオーディオというものが使われていなかったから、録音経路はすべてアナログのはず。今回の接続ではカセットテープからスピーカーまでの間にデジタル回路がないので、それがなめらかな感じに寄与しているのかもしれない。

設定をあれこれしながら、新システムに少しずつ耳を慣らしていこう。

H2

2020年12月14日 (月)

SACD: The Manhattan Transfer「The Christmas Album」

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SACD: The Manhattan Transfer「The Christmas Album」
Sony Music Entertainment Inc. 1992年(SACD化はおそらく2001年) SIGP 11
SACD、ステレオ2チャンネル
2020年7月にヤフオク!で購入、1780円

懐かしさ ★★★
楽曲 ★★★
演奏 ★★
録音 ★★
購入満足度 ★★

マンハッタン・トランスファーを初めて聞いたのは、中学か高校の頃に聞いていたFMラジオのジャズ番組だったと思う。1987年のクリスマス休暇は、米国に留学していて大学の寮が閉鎖されるので、仕方なく日本人の友人と二人で米国を旅していた。ロサンゼルスにいた時だったろうか、マンハッタン・トランスファーのライブに行けそうだったので誘ってみたが、友人は興味がなく、一人でどきどきして行った。細かいことは覚えていないが、米国でポピュラー音楽のライブに行くのは初めてで、大変にどきどきしたように記憶している。

マンハッタン・トランスファーのCDはベスト版を1枚持っているが、それは今聞いても楽しめる。

で、期待して上のSACDを買ったのだが、これは期待はずれだった。

たぶん、デジタルマルチトラックレコーダーで録音したのだろう。音にうるおいがない。高域がきつくて、しゃりしゃりしている。人の声もバックのオケも、なめらかさが損なわれている。演奏も、スピード感、楽しさに欠ける。全般にテンポの設定が遅い。速いところがないと、ゆっくりがゆっくりに聞こえない。

夏に購入して今一つと思い、12月に聞き直したが、やはり今一つである。季節要因ではなかったようだ。

H2

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